令和5年(2023年)・第30回

令和5年度最優秀賞は、以下の3作品です。各作品について、蓮見審査員長より講評を頂きました。

黄金と漆黒の橋

つくば市立並木小学校 向井 颯馬 さん
<製作者の作品アピール>
金と黒を基調にした橋げた部分をハニカム構造、
橋台部分をトラス構造で強固な造りにして
1kg以上の重さにもたえられるようにしました。
        
<審査員長の講評>
三角形とハチの巣形の構造を組み合わせることにより、ガッチリと安定した強固な橋ができました。
黄金色と漆黒の組み合わせはとてもモダンで存在感があり、自然の景色とも良く調和しそうです。
シンプルですが印象的であきがこないかたちと、しっかりとした構造を両立させたデザインは、まさにグッドデザインと言えるでしょう。


エコいのぼり橋

つくば市立並木小学校 新井 那奈 さん
<製作者の作品アピール>
土台にじゃばらおりをたくさんひきつめ、2kg以上耐えられるようにした所。
体に丸みをおびた、尾の所が曲線で左右に曲がって力強く泳いでいる姿を作った所。
体の下地やうろこをこだわりの色でぬった所や骨組みがライトとなって橋をわたる人の心を照らし、赤ピンク一色に統一された幻想的な世界を表した所。
        
<審査員長の講評>
尾をピンと曲げた元気なコイの橋は、細部にいたるまでキチッと作りこまれています。
じゃばら折りのゆかはしっかりと安定していて、橋の骨組みやウロコのパターンが橋の内部にやわらかな光とかげを生み出しています。
だれもが通りたくなるステキな橋です。


海と雲の橋

つくば市立二の宮小学校 根橋 宗太郎 さん
<製作者の作品アピール>
折板構造を使ったところ。
見る角度によって青になったり白になったりするところ。
それが海や雲に見えるところ。
        
<審査員長の講評>
円とう形の表面に三角形の折り目を入れることで、長くしたり短くしたりできる橋です。
たたむことができるので、運送や工事も楽にできそうです。
実は折り構造は宇宙開発にも使われる合理的なものなのです。
表面にある多くの三角形をいかして、入口の向きによって橋が青色や白に変化して見える配色も、手品のようで楽しいですね。





令和5年度構造デザイン賞は、以下の5作品です。作品について、石田審査員より講評を頂きました。

星橋

つくば市立研究学園小学校 亀谷 篤紀 さん
<製作者の作品アピール>
星をたくさん作ったところ。
        
<審査員の講評>
2本の高さのちがうアーチがクロスするように作られていて、しっかりと力が伝わるようにとても強く作られています。
黒い橋に黄色いもようがたくさんついていて、さらに黄色いひもで星を作っています。
まるで夜空にうかぶ星のようでとてもきれいです。


宮太鼓橋

つくば市立松代小学校 寺本 浩樹 さん
<製作者の作品アピール>
はしの一部に宮大工のちえを入れたところ。
10kgほどまでたえられるように設計したこと。
たいこばしのようにアーチ形にしたこと。
     
<審査員の講評>
太鼓橋のようにアーチの上をわたります。
アーチが外に広がろうとする力を下のまっすぐな部材が引っぱる構造になっていて、とても力強く作られています。
アーチの曲がった形もとてもていねいに作られています。赤い色も「宮太鼓橋」という名前にぴったりで印象的です。


風力跳ね上げ橋

つくば市立葛城小学校 村上 遼 さん
<製作者の作品アピール>
再生可能エネルギーによって開閉する橋を考えました。
SDGsをしょうちょうしています。
キャップを回すとひもが上がって橋が上がります。
逆に回すと下がります。
        
<審査員の講評>
風車が回ると橋がはね上がります。
動く橋を強く作るのはむずかしいですが、アーチの部分と橋の形を工夫して重さにたえられるようにじょうぶに出来ています。
また、しっかりと橋が動くようにていねいに作られています。
橋の開へいを風力で行うようにして、地球かんきょうにも配りょされています。


ランウェイブリッジ

つくば市立学園の森義務教育学校 二岡 陽太 さん
<製作者の作品アピール>
上段の橋はきん急時、滑走路やヘリポートになり、災害物資を届けたり人命救助の役立つ橋を作った。
下段の橋は緑地化し、森林公園やひなん場所として、人々と生き物が活用できるようにした。
        
<審査員の講評>
2階建てで、上はかっ走路、下は緑地になっていて災害時のひなん場所になります。
空港と橋がいっしょになっているユニークなアイデアです。
上下を柱でつなぐことで、強い構造になっています。
緑地には植物がたくさんあって自然にもやさしい橋になっています。


四季折々の橋

つくば市立沼崎小学校 堤 奏一郎 さん
<製作者の作品アピール>
季節で花が咲いていたり、紅葉になっていたりするところ。
色々な鳥や虫がいるところ。
        
<審査員の講評>
青いトラス構造がていねいにしっかりと作られていて、じょうぶな橋になっています。
4本の柱は木になっていて、花が咲いている木やこう葉している木があり、名前のとおり四季を感じさせます。
木には小鳥や虫がいて楽しい橋になっています。





令和5年度美術デザイン賞は、以下の5作品です。各作品について、佐山審査員より講評を頂きました。

トライアングルスネイクブリッジ

つくば市立香取台小学校 櫻井 湊真 さん
<製作者の作品アピール>
ぼくはブロックが好きなので蛇や草を三角形で統一して作りました。
また少しななめから見ると色がはっきり見え、うろこのような模様を三角形の辺で作り出しているところも特徴です。
またがんばったところは四百個以上の三角形を作り心が折れそうになりながらも作ったところです。
        
<審査員の講評>
レゴブロックのように組み上げられた400こ以上の三角形と美しい色の重なりが、半とう明のヘビの形を立体的にうかび上がらせています。
見る角度によって色や形がさまざまに変化するので、何度見ても新せんな印象を感じることでしょう。
細かい作業を長時間にわたっておこない、完成までがんばり通した意思の強さも高くひょうかできます。


波の橋

つくば市立並木小学校 方波見 綾乃 さん
<製作者の作品アピール>
台形と正方形の柱を交互に組み合わせて、アーチ形の土台を作りました。
色画用紙を何まいも使って波を表現し、橋の下には魚をつるしてみました。
        
<審査員の講評>
まずひきつけられたのは白からこい青へとじょじょに変化するグラデーション。
そして交ごのデコボコが波の満ち引きを感じさせてくれます。
30cmの谷川をむだのないサイズと設計で渡し、アーチとのバランスがぜつみょうです。
こぶねやヨット、または泳いでわたる時どんな感覚なのかなあ。つるした魚たちが良いアクセントになっています。


鶴の舞橋

つくば市立学園の森義務教育学校 長濵 芽依 さん
<製作者の作品アピール>
以前青森県で見た鶴の舞橋の形がすてきだったので、それをイメージして作りました。
渡る所にボール紙を1枚ずつ貼り、木を表現しました。
        
<審査員の講評>
青森県の「鶴の舞橋」は日本一長い三連太鼓橋です。
げん地で見てすてきだなあと思ったイメージを忘れずに作品に活かしましたね。
シンプルな構造とさいしきがとても気持ちの良い印象をあたえます。
また、ていねいな工作ぎじゅつで仕上げた木の表げんは多くの人の目を楽しませ、長く愛される橋なんだろうなと思いました。


キラキラ&ドキドキブリッジ

つくば市立学園の森義務教育学校 関谷 紗良 さん
<製作者の作品アピール>
その日の気分で、自分で走るコースを選べるようにしました。
キラキラゆったりコースは、ガードレールもコースもキラキラにしました。
どきどきサーキットコースは土木の日に体験した試験走路のようなどきどき感を味わえるようにしました。
        
<審査員の講評>
その日の気分で走るコースを選べる、便利で役立つだけでなく生活や運動など自分らしく自由に生きる大切さを表げんしているような橋です。
試験走路を体験した時のドキドキ感を覚えていたのですね。
各部分から成り立ちながら有機的なとう一感があり、全体にスウィーツな丸みのある黄色の造形がみ力になっています。


ミッション1「同じ色だけを通って渡れ」

つくば市立香取台小学校 中山 朝続 さん
<製作者の作品アピール>
六角形を三角形のあつまりでひょうげんした所。
色の組み合わせを意識した所。色づけをスプレーでした所。
高さごとに色づけした所。高さをかえた所。
        
<審査員の講評>
「同じ色だけを通って渡れ」というゲームのようなタイトルが面白いです。
三角を合わせて六角形にした材料を3種類の高さと色で分けています。
き本色だけで表げんしたさいしき構成は洗練されたセンスと強い主張を感じます。
また六角形の柱のユニットはローコストで作れそうなのにとてもがんじょうそうでけいざいせいにも配りょした構造です。





令和5年度努力賞は、以下の5作品です。作品について、横山審査員、中島審査員より講評を頂きました。

つくQ

つくば市立春日学園義務教育学校 小林 悠叶 さん
<製作者の作品アピール>
今年の夏休みに富士急ハイランドに行きました。
つくば市にもこんな遊園地があったらいいなと思い、橋でツクンバ(ドドンパ)や筑飛車(高飛車)を作ってみました。
        
<審査員の講評>
小林さんのアピールポイントに「遊園地の中にあるとよい」とありましたが、遊園地に向かう道路にこの橋がいくつもかかっていたら、とても楽しい気持ちで遊園地に行けますね。
ジェットコースターとしての楽しさだけでなく、青と白のグラデーションの色合いも美しく、橋としての強度もあって、すてきな橋に仕上がっています。


平和大橋

つくば市立竹園西小学校 山越 寿彩 さん
<製作者の作品アピール>
普段は橋と展望カフェです。観光地にして集金します。
有事には滑走路とかんせいとうになります。
路面と下部はエレベーターでつながっていて、下にはドローンやヘリコプター、せんとうきが入っています。
災害や他国のしんこうがあると橋が閉ざされるので、渡れる間は日本が平和な証です。
        
<審査員の講評>
「平和大橋」というように、山越さんの平和への思いが形になったすばらしい橋です。
ふだんは、橋とてん望カフェ、有事にはかっ走路と管せいとうというように、どのようなじょうきょうでも人々にとって必要な橋です。
シンプルなデザインの中にも、いくつものアイデアがつまっていますね。


スイカ橋

つくば市立吉沼小学校 会田 莉音 さん
<製作者の作品アピール>
大好きなスイカをわたれる橋があったらいなと思って作りました。
上から見た時もスイカにみえるところがポイントです。
        
<審査員の講評>
会田さんが大好きなスイカを形にした橋です。
橋としての安定感もたもちつつ、細部までていねいに作り込まれています。
橋をわたる部分も、スイカのしまもようをイメージして作られています。
遠くから見てもスイカの橋だと分かるので、自然と人々が集まる人気のある橋になりそうですね。


テニスエコ橋

つくば市立香取台小学校 金久保 采良 さん
<製作者の作品アピール>
わたしの大好きなテニスを橋にしました。
橋の下ではテニスを楽しむことができ、川の水を吸い上げて夏でもすずしく過ごす事ができます。
        
<審査員の講評>
ラケットの間にテニスコートがある橋です。
川の水をすい上げてすずしくテニスをするというアイデアは、テニスが好きな金久保さんだからこそのすばらしい着がん点です。
この橋が運動公園にあったら、テニスをする友達を見ながら橋をわたって自分の活動場所にい動できるので、他のスポーツを楽しむ人にもよいしげきになりそうです。


水戸ブリッチ

つくば市立二の宮小学校 岩崎 葵 さん
<製作者の作品アピール>
ハニカムこうぞうをレインボーにした所と水戸の建造物を合わせた所です。
        
<審査員の講評>
水戸芸じゅつ館にあるシンボルタワーを橋のデザインとして取り入れた橋です。
橋をわたるところは、ハニカム構造にしたことに加え、レインボーカラーにしたことが特ちょうです。
岩崎さんのしょう来のゆめである建ちく家になったら、このようなスタイリッシュな橋がたくさん作られるのでしょうね。





関東大震災100年特別賞は、以下の作品です。作品について、星隈審査員より講評を頂きました。

災害救助のための仮りの橋

つくば市立竹園西小学校 小野 駿資 さん
<製作者の作品アピール>
仮り橋の長さを変えられるようにした。仮り橋の幅を三段階に変えられるようにした。
仮り橋へのアプローチを作った。「希望」を表現するために虹色に塗った。
        
<審査員の講評>
日本は地震やごう雨による災害がとても多い国で、そのきぼが大きくなった場合には橋をわたれなくなることがあります。
その時に活やくするのがこの仮橋です。
仮橋はかん単に早く架けられることや架ける長さを調整しやすいことが求められますが、この作品はそれらを見事に実げんさせています。
仮橋にぬられたにじ色は、ふっこうに向けた希望の架け橋として地いきの方に勇気をあたえるでしょう。





土木の日2023賞は、以下の作品です。「土木の日2023」一般公開で投票頂いた皆さま、ありがとうございました。

SHELTER BRIDGE

つくば市立竹園東小学校 西川 緒美 さん
<製作者の作品アピール>
今ウクライナとロシアの戦争があり、ウクライナへとばすことを考えて作りました。
アピールしたいところはボタンをおすと光るところと、ひなんする場所をこまかく作ったことです。
        
<事務局からのコメント>
戦地に飛んでいき、そこで生活する人のくらしを守るための工夫が、多くの「土木の日2023」来場者の目にとまり、最多票をかく得しました。
来場者のみなさんも「SHELTER BRIDGE」を通して、作者が時事のニュースにびん感に目を向け、問題意しきとしてとらえているしせいを感じ取ったと思います。


※「土木の日2023賞」とは?

「土木の日2023賞」は、「土木の日2023」一般公開(令和5年11月18日(土))にご来場いただいた皆さまの投票により決定する賞です。
「ボール紙で作る橋コンテスト」は、30年にわたる歴史のなかで、のべ約12,000名の児童に参加いただいております。
この賞は、コンテストの四半世紀の歴史を記念し、参加者への感謝の意味をこめて、平成30年に創設されました。
令和元年以降新型コロナウイルスの影響により実施していなかったため、今年度4年ぶりの実施となりました。