第1章 評価の方法等



1 評価の対象
 今回の研究評価委員会分科会の評価の対象となった研究課題は、事後評価として、平成16年度末で終了したプロジェクト研究が5課題、中間評価として、研究期間が5年以上かつ今年度4年目に当たるプロジェクト研究が1課題、事前評価として、平成17年度新規プロジェクト研究及び重要な研究課題が12課題である。

(事後評価対象)
地球温暖化に対応するための技術に関する研究
道路空間の安全性・快適性の向上に関する研究
市街地の再生技術に関する研究
快適に憩える美しい東京湾の形成に関する研究
ITを活用した国土管理技術
(中間評価対象)
マルチモーダル交通体系の構築に関する研究
(事前評価対象)
流域における物質循環の動態と水域環境への影響に関する研究
地域活動と協働する水循環健全化に関する研究
下水道管渠の適正な管理手法に関する研究
10 気候変動等に対応した河川・海岸管理に関する研究
11 LRTの地方鉄道乗入れに関する研究
12 建築基準の性能規定化の一層の推進のための建築材料等の性能表示・認証システムに関する研究
13 建築空間におけるユーザー生活行動の安全確保のための評価・対策技術に関する研究
14 低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策の評価に関する研究
15

国際交通基盤の統合的リスクマネジメントに関する研究

16 温室効果ガス削減を目指した空港環境マネジメントに関する研究
17 災害時要援護者向け緊急情報発信マルチプラットフォームの開発
18 地域被害推定と防災事業への活用に関する研究

2 評価の視点
 終了したプロジェクト研究の事後評価に当たっては、必要性、効率性及び有効性の点から主に以下の3つを評価の視点とすることとした。

国総研で実施することが妥当であったか、研究の掲げた目標が、技術政策課題の解決に向けて、または解決するために、適切かつ明確に設定されていたか。[必要性]
研究計画、実施方法や研究体制が、目標を達成するために妥当であったか。[効率性]
目標とした研究成果が得られているか。研究成果は国土技術政策等への反映を通じ社会への貢献が期待できるか。[有効性]

 継続中のプロジェクト研究の中間評価に当たっては、必要性、効率性及び有効性の点から主に以下の3つを評価の視点とすることとした。

研究の掲げた目標が、技術政策課題の解決に向けて、または解決するために、適切かつ明確に設定され、研究を継続することが妥当であるか。[必要性]
研究計画、実施方法や研究体制が、目標を達成するために妥当か。研究が適切に進捗しているか。[効率性]
目標とした研究成果が得られる見込みであるか。研究成果は国土技術政策等への反映を通じ社会への貢献が期待できるか。[有効性]

 平成18年度新規プロジェクト研究及び重要な研究課題の事前評価に当たっては、必要性、効率性及び有効性の点から主に以下の3つを評価の視点とすることとした。

国総研で実施することが妥当な研究課題であるとともに、研究の掲げる目標が、技術政策課題の解決に向けて、適切かつ明確に設定されているか。[必要性]
研究計画や研究体制が、目標を達成するために妥当であるか。[効率性]
研究成果の、国土技術政策等への反映を通じた社会への貢献の道筋が考慮されているか。[有効性]

3 評価委員会の分科会の開催
 専門的視点からの評価を行うため、各分野の専門家で構成された国土技術政策総合研究所研究評価委員会分科会を開催することとし、第1回、第2回及び第3回分科会を、平成17年7月22日、25日及び8月1日にそれぞれ開催した。各評価対象研究開発課題の評価担当部会及び評価担当部会の会議に他部会から出席いただく委員は、国土技術政策総合研究所研究評価委員会分科会設置規則に基づき、研究評価委員会委員長により指名された。また、評価担当部会以外の委員等には事前に資料を送付し、意見をいただくこととした。

研究評価委員会分科会は、国土技術政策総合研究所研究評価委員会分科会設置規則に基づき、以下の構成となっている。


第一部会 主査 石田 東生 筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授
委員 小澤 一雅 東京大学大学院 工学系研究科 教授
委員 寶  馨 京都大学 防災研究所 副所長 教授
委員 中村 太士 北海道大学大学院 農学研究科 教授
委員 永冶 泰司 ()建設コンサルタンツ協会 技術委員会委員長
()長大 執行役員技術統轄部長
委員 根本 敏則 一橋大学大学院 商学研究科 教授
委員 藤田 正治 京都大学 防災研究所 流域災害研究センター 助教授
委員 古米 弘明 東京大学大学院 工学系研究科 教授
第二部会 主査 村上 周三 慶應義塾大学 理工学部 教授
委員 浅見 泰司 東京大学 空間情報科学研究センター 教授
委員 熊谷 良雄 筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授
委員 田 光雄 京都大学大学院 工学研究科 教授
委員 辻本 誠 東京理科大学 総合研究所 教授
委員 野口 貴文 東京大学大学院 工学系研究科 助教授
委員 野城 智也 東京大学 生産技術研究所 教授
委員 芳村 学 首都大学東京 都市環境学部 教授
第三部会 主査 三村 信男 茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター長 教授
委員 井口 典夫 青山学院大学 経営学部 教授
委員 日下部 治 東京工業大学大学院 理工学研究科 教授
委員 窪田 陽一 埼玉大学大学院 理工学研究科 教授
委員 小林 潔司 京都大学大学院 工学研究科 教授
委員 柴山 知也 横浜国立大学 工学部 教授
委員 山内 弘隆 一橋大学大学院 商学研究科 教授
(平成17年7月現在、委員は五十音順・敬称略)

 第1回分科会(平成17年7月22日)の評価担当部会は第二部会であり、第二部会から村上主査と高田、辻本、野口、野城、芳村委員の各委員、第一部会から永冶委員、第三部会から井口委員に出席いただいた。
 第2回分科会(平成17年7月25日)の評価担当部会は第三部会であり、第三部会から三村主査と井口、日下部、窪田、小林、柴山、山内委員の各委員、第一部会から寶委員、第二部会から芳村委員に出席いただいた。  
 第3回分科会(平成17年8月1日)の評価担当部会は第一部会であり、第一部会から石田主査と小澤、寶、中村、永冶、根本、古米委員の各委員、第三部会から日下部委員に出席いただいた。

 会議当日は、研究内容等について説明した後、主査及び各委員から意見をいただき、さらに、事後評価・中間評価については評価シートに記入いただいた。また、他の部会の委員等から事前にいただいた意見も紹介された。ただし、委員等が評価対象課題に共同研究などで関与している場合には、評価対象課題のうち、当該部分の評価は行わないこととした。また、主査が評価対象課題に関与している場合には、当該部分の評価を行う間、予め委員長が他の委員から指名する委員が、主査の職務を代理することとした。
 評価結果は、他の部会の委員等から事前にいただいた意見を含め、事後評価・中間評価については会議における意見及び評価シートに基づき、また、事前評価については会議における意見に基づき、主査又は主査の職務を代理する委員の責任においてとりまとめられた。さらに、研究評価委員会委員長の同意を経て、国土技術政策総合研究所研究評価委員会の評価結果とされた。


4 評価結果の公表 
 評価結果は、議事要旨とともに、公表することとした。なお、議事録における発言者名については、「主査」、「委員」、「事務局」等として表記することとした。