平成20年度 第1回 国土技術政策総合研究所研究評価委員会
議 事 録


1. 開会/国総研所長挨拶
2. 委員長挨拶
3. 議事
4. 国総研所長挨拶/閉会

平成20年7月16日

1.開会/国総研所長挨拶

【事務局】  おはようございます。それでは、定刻になりましたので、平成20年度第1回国土技術政策総合研究所研究評価委員会を開催したいと思います。それでは、国土技術政策総合研究所の所長よりごあいさつをお願いいたします。

【所長】  ご紹介いただきました○○でございます。まだ7月4日付で、着任早々でございます。まだ状況をあまりよく把握していない中で、この国土技術政策総合研究所の評価という大事な会議で恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 聞くところによりますと、ずっと毎年の研究についてのご評価というのは行っていただいたところでありますが、この評価が始まって7年間、国総研、発足から7年間でございますけれども、全体のこの組織、機関の役割というものを今回ご評価いただくということでございますので、どうぞいろいろな忌憚のないご意見をいただけたらと思ってございます。

 改めて申し上げるまでもないんですけれども、この国総研、国土交通行政の政策に係る技術的な裏づけ、支援、技術基準の策定などなどでございます。国土管理だとか住宅建築物にしましても、技術的な裏づけで成り立っている重要な政策が国土交通省の柱かと思いますので、そういうところについてしっかりとした役割を果たしていけたらと思っております。

 特に最近、行政改革の中で独立行政法人の話でございますとか財団法人の話ですとか、いろいろな民間シンクタンク、大学その他いろいろな中で、きちんとした国総研という組織が明確な役割をきちんと果たしていけたらと思っておりますので、きょうはそういう意味では、いろいろな先生方の忌憚のないご意見、実践できるもの、具体化できるものは即座に対応していきたいと思ってございますので、本日、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 では、簡単ですが、冒頭のごあいさつとさせていただきます。

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2.委員長挨拶

【事務局】  それでは、委員長よりごあいさついただきたく存じます。○○委員長、よろしくお願いいたします。

【委員長】  本日は先ほど所長のほうからご説明がありましたように、この7年間にわたる組織の事後評価が課題のようです。大学でいうと中期目標を設定して、5年間たった段階で外部評価を受けるということをやりましたけれども、これと同じような位置づけかなと思っております。

 いずれにせよ、大学と違うところは政策との連動が非常に深いところでありまして、その分だけはっきり言うと応用的な形のアプローチになりますし、基礎的な研究がどっちかとすれば弱くなってくるという色彩を持っていると思いますが、そういう特色を踏まえた上でのさまざまなコメント、ご意見等をいただくと、大変実りある外部評価になるのではないかと思っている次第です。よろしくお願いいたします。
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3.議事

【事務局】  それでは、委員長、以降の進行につきましてよろしくお願い申し上げます。

【委員長】  それでは、議事に入ります。

 お手元の議事次第の1でありますが、まず、研究評価委員会における評価について事務局から説明をいただきます。

【事務局】  それでは、資料2をごらんください。研究評価委員会(本委員会)における研究の評価方法等について、ご説明申し上げます。本日の評価の方法について概要を申し上げます。

 まず、評価の目的でございます。科学技術基本計画、国の研究開発評価に関する大綱的指針等に基づきまして、公正かつ透明性のある研究評価を行うということを目的といたしまして、研究評価を実施いたしているところでございます。

 評価の内容について、でございます。四角のところに研究評価委員会、研究評価委員会分科会ということで1ページ目の下の部分に書いてございますが、本日は研究評価委員会ということでございますので、国総研の活動全般について評価を行うということを予定いたしております。

 今年度は、先ほど所長よりお話し申し上げましたが、国総研設置以来の活動全般について、研究開発機関評価の観点から評価を行うことといたしております。

 1枚おめくりください。評価の視点について、でございます。毎年、評価の視点ということでお示ししてございます点はおおむね変わってございませんが、本年度は先ほど申し上げましたとおり、大綱的指針に掲げる研究開発機関評価の観点から7年分の総括を行うということでございますので、少し詳しく書かせていただいております。

 (1)機関運営の面ということでございます。この四角の中は大綱的指針の抜粋ということでございまして、これに基づきその下で書いてある部分ですが、研究目的・目標の達成や研究開発環境の整備等のためにどのような運営を行ったかについて、効率性の観点も重視しつつ評価を行うこととし、評価の視点としましては、支援体制や知的基盤の整備、人材の養成・確保、流動性の促進、産官学連携、専門研究分野を生かした社会貢献に対する取り組みといたしております。

 次に、研究開発の実施・推進の面について、でございます。研究開発の実施・推進面は大綱的指針の抜粋によりますと、研究開発施策や課題等の総体で評価を行うこととされてございますので、これまでに本委員会のみならず分科会において実施してきました個別課題についての評価の状況を踏まえまして、国総研が実施した研究開発課題との総体で評価を行っていくということとさせていただいているところでございます。

 なお本日、評価いただきました内容につきましては、Wに評価結果等の公表で示させていただいております。評価結果は、今後の研究活動に適切に反映させるとともに、評価結果及びその対応は原則としてその内容を公表いたしていくことを予定いたしております。

 以上でございます。

【委員長】  ありがとうございました。今、ご説明がありましたように運営面からと研究の実施面の2つの面からの評価を行うということと公表いたしますということですね。ご質問、ご意見ございませんか。よろしゅうございますね。

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 それでは、次に進まさせていただきます。

 これで資料2を確認したことになりまして、では、議題2にまいります。

 国総研の活動について、平成13年度から19年度に入ります。まずは事務局よりご説明をお願いいたします。

【事務局】  お手元に配付しています資料3及びカラーコピーで別に配付しておりますプレゼンの資料に基づきまして説明させていただきたいと思います。画面に出しておりますパワーポイントにつきましては配付しているものと同じでございます。

 先ほどありましたように、本日は機関評価の観点からということでお願いしたいと思います。内容的には国総研の概要、使命、組織、予算、研究の活動。その中でも特にどのような社会貢献をしてきているかというところについて説明させていただきたいと思います。それから、研究成果の発信、研究者の育成、研究評価につきまして説明させていただきます。

 右上に書いておりますページ番号が、資料3の自己評価を3ページから8ページまで概要みたいにまとめております。本文がその9ページから80ページぐらいまでと、今までの委員会に比べまして、かなり全体をまとめているということで、もし後で質疑のときに必要であればということでページ番号をつけております。

 概要でまずは使命でございます。今までも言われておりますように、住宅・社会資本のエンドユーザーである国民に満足度を高めるため技術政策の企画立案に役立つ研究を実施しております。あとは具体的な役割としましては、箱の中に飛びますけれども、政策の企画・立案、技術基準の策定、技術支援と大きくこういう形で進めてきているところでございます。

 次に、組織及び体制でございます。組織につきましては、技術政策を行っているただ1つの国の研究機関ということで、10の研究部、3つの研究センター、支援する3部という16部から構成されております。また7年間の中で社会情勢の変化を踏まえて研究室の新設とか廃止等の変革を行ってきております。13年からに比べますと、研究職は1名増加、行政職は15名の減少となっております。下にグラフがございますけれども、土木だけでなく建築とかその他いろいろな職種の方から構成されております。3つの研究所、港湾、建築、土木のほうから構成されたということで、さまざまな分野から採用されて、総合的な視野による結束が一層必要になっているところでございます。

 予算でございますけれども、発足以来、総予算は140億から180億の間で推移してきております。道路とか河川、港湾、空港という形でいろいろなお金、研究予算からなっておりますので、予算獲得のためにかなり努力を費やしております。

 あと、外部の競争的資金ということで科研費、科学技術庁とか環境省の予算とか、そういうものについても積極的に予算要求をしているところでございます。

 それから、施設とか情報基盤ということでございます。3カ所に分かれておりますけれども、全体あわせて面積的には1平方キロぐらいの面積がございます。これはつくばの試走路でございますけれども、延長が6キロの試走路を持っております。それから、いろいろな施設もありますが、昭和50年代に最初に製作している施設とかが多いものですから、今後、更新とか適切な設備に維持・管理していくということが必要になっています。

 また、ソフト関係につきましても、共有サーバとかメールとかのアクセス、インターネットという形で整備してきているところでございます。

 続きまして、研究活動のほうに進みたいと思います。研究方針ということで、13年に研究方針という形で作成されております。それから16年、18年と2回改訂を行っているところでございます。4本の柱ということで安全・安心、活力ある社会、生き生きと暮らせる社会、環境との調和、総合的な手法ということで18年の改訂のときに柱を組みかえております。

 また、研究活動をマネジメントするための手法としてコア、大枠を新たに設けまして、チェック機能を重視することを位置づけております。

 研究方針のポイントとしましてコアということで、かなりのいろいろなデータとかを集めてきているということで、収集される情報に基づきました研究活動をコアとしております。例示としまして下水道につきまして、管きょのアセットマネジメントということで、管きょの劣化データとか改築データとかを国総研のほうで集めたいとしております。また、大枠としまして、前回見ていただいておりますが、コアのデータをもとにしまして将来像を実現するための課題を明らかにして、その解決に向けた研究活動の方向と目標を包括的に示すということで大枠を組んでおります。

 また、実際にやっていく中でチェックをしながらマネジメントしていくということで進めているところでございます。

 あと、研究の実施状況でございます。研究につきましては、内容的に技術政策の研究、基盤的研究、機動的、これは本省とかの要請にこたえるために機動的にやっていこうということで、一番下に書いていますけれども、17年から19年で約900課題、単年度でいきますと、19年度は340課題の課題を行っております。一研究室当たり、大体8件ぐらいの課題を行っていることになります。あと、プロジェクト研究でございますけれども、今まで47課題を実施してきております。終了済みのものが32課題、継続中は15課題でございます。18年、19年と数が減ってきておりますのは、評価委員会のほうで質を高めるということで組織横断的なものに限った形で行っていこうということで、特に重点的に絞ってきているというものでございます。

 続きまして、研究成果の施策への反映ということで、最初の13年、14年のころは少なかったんですが、15年ぐらいから大体年間50件ぐらいを施策に反映されてきているというものでございます。その中でも特に多いのが基準とかマニュアル関係、それから、法律とか政令とかに至ったもの、それからあと、新規の施策として行政のほうに反映しているというものがございます。

 続きまして、実際の事例ということでございます。施策への反映事例としまして、これは道路のアセスメントの環境影響評価でございます。平成12年にアセス法ができた関係で、旧土木研究所時代に一式、アセスの資料をつくりました。それで部分的な改訂を行いまして、19年に環境省に変わった関係で全面的な改訂を行っております。実際に現場で特に道路関係で行ってもらっているのは数が一番多いんですけれども、399件のアセスで、ほとんどで使ってもらっているということになっております。ちょっと例外的に何件か使っていないというのは、環境省のほうで特に地方に応じましてこういうものもやって欲しいというものも言われることがございます。それは載っていないものもございます。

 あとアセスの中で具体的にどこを経由しているかということでございますけれども、猛禽類ということでオオタカですが、以前は4シーズン以上観測して、そのデータを用いてアセスメントをしておりましたけれども、それを2シーズンでできるような形で改善をいたしてきております。

 それから、コアの基準関係でございます性能規定化が今、道路とか橋梁とかいろいろな構造物で行ってきております。その中でコアにつきましても新しいいろいろな技術が出てきておりますので、それをいろいろ検証したり、また設計の事例とか被災の事例とかを収集、分析しまして性能規定に基づく設計法に組み直してきております。

 それによる効果としまして右上に書いてあるんですけれども、いろいろな創意工夫を現場の担当者が行われると、震災で使ったりとかいろいろなことができます。2つ目に構造物とか施設の立地場所、波が高いとか内海とかそういうところに応じて全国一律でなく、コストを考慮した形での設計ができるという形で改訂されております。

 空港のほうでございますけれども、空港の舗装設計につきまして疲労設計法を導入されたり、このグラフにございますけれども、コンクリート舗装の盤厚に応じて、以前は一律の係数を掛けていたんですけれども、それを実験とかする中で盤厚に応じて補正係数が変えられるという形で、合理的な設計ができるという形で理論的な設計ができるという形に変わっております。そういうことで柔軟な設計、現場の条件に考慮した設計ができるというものになっております。

 それから、海の再生プロジェクトでございます。東京湾の再生のための行動計画の中で閉鎖性内海の環境管理技術という形で、それを提案したものが取り入れられました。また大阪湾につきましても、同じように干潟の関係で行っておりました課題が中にメニューとして採択されております。それらを港湾行政のグリーン化という形で進めてこられているところでございます。

 続きまして、地球温暖化に伴う気候変動への適応策ということでございます。地球温暖化は想像以上にどんどん進んでおりまして、数十年先を見越した研究とかを行っております。特に治水の安全度につきまして降雨がかなり増えてきます。別紙で書いておりますが、北海道では1.24倍に増えると。今まで100分の1、100年に1回の確率で行われていた治水安全率が40分の1ぐらいに厳しくなってくるというもの、東北につきましても同じように30分の1ぐらいに安全度が落ちてくるというものでございます。

 また、温暖化に伴いまして積雪が早く解けてしまうということで、ピークは今までは雪解けが5月に入って出てきていたものが4月に出てしまうということで、田んぼに水を張る前にピークが出てしまってかなり厳しくなると。農業もそうなんですけれども、ダムの管理にもここら辺がかなり響いてくるということで、水資源白書とかいろいろなところにこの研究成果が活用されております。

 それから、特に地方自治体の管理している橋でございますけれども、最近、橋梁の損傷とか落橋の事例が出ておりますけれども、橋梁をできるだけ長持ちさせる。今、こういう予算の厳しい状況ですので、できるだけ予防的な修繕を行いながら長持ちさせる。そのためにどういうチェック、点検を行う必要があるかということで行ってきております。国交省でも19年4月に長寿命化の修繕計画策定のための事業費の補助ということで、計画をつくるのに2分の1補助するということで道路局のほうで行われてきております。自治体につきましても、できるだけ長寿命化させて、どうしても仕方なければ計画的に架け替えるということで行われてきております。

 16年に定期点検要領を国道・防災課から出していただいておりまして、それに基づいて17年に全国直轄の方でデータが収集されております。それで橋梁の損傷がどこに多く発生するか、特に、上部工の場合には桁の端部に発生が多い、また、進行の程度とかがどういう傾向にあるかということを解明しまして、それで科学的知見に基づきまして、できるだけ自治体がやる場合には国ほど丁寧にはできないということで、省力化して信頼性があるものにしようということで、今までの点検要領と比べてもうちょっと簡単にしました基礎データの収集要領というものでなっております。

 特に、場所につきましては桁端部を中心に見てください。下部工については近くまで上がらなくても遠くから目視でいいです。ポイントとかにつきましても半分ぐらいに減らしまして、簡単に行う方法ということでやってきております。全国の講習会とか約半分の自治体で点検に使っていただいているというものでございます。

 それから、あとは資料3の後ろにA3の折り込みの資料をクリップの中につけております。これは今回、年表という形で資料ですが、簡単に説明しますと、左側に社会の動きということで、どういう事件とか事故があったか、それに対して国交省としてのどういう動きをしたか、そのうち国総研がどういう役割を果たしたかと。それからあと、研究の課題としてはどういう課題で行ったか、あとは問題意識としてはどういう問題意識を持って行ってきたかということで、数十の事例をまとめております。一応、このプレゼンのほうにつけているんですが、大きくは3つに分かれます。国交省は事件、事故に対してどのような対応を行ってきたか、その中で国総研はどういう成果、役割を果たして行ってきたかということで、1つが事件、事故の契機となったタイプということで左の事件、事故から国、国総研と来たものでございます。

 それから、事件に即応したタイプということで、もうすぐ対応して、行政経由で返してあげたというもの、それから、研究が成功して、本省の通達とか法律に反映されたというものでございます。一例でございますが、1つはちょっと古いんですが、11年に広島の呉で土砂が崩れたことがございました。それを受けまして、国交省では土砂災害警戒区域等における災害防止の推進に関する法律というものができました。また、国総研のほうでは運用面での課題の対応ということで受けて、基準雨量をどういうふうに高度化するか、後で出てきますけれども、そういう調査とか設定方法について作成をしてきて、行政のほうに反映していただいているというものでございます。

 それから、事件に対してすぐに対応したものということで、これは平成17年、ちょっと古いんですが、ガードレールに車がぶつかって、くさび上にドアの金属がはぎ取られて、中学生がそこに自転車で当たって負傷したというものでございます。それを受けて、本省のほうでもすぐ委員会をつくると、それでその原因につきまして国総研で実際に衝突実験とかを行ってそういうことがあり得るのかどうかというのを確認しまして、それから、ほかの自治体での調査とかを行いました。それですぐ対応原案を作成して、一、二カ月の間に本省から通達とかを出していただいたというものでございます。

 それから、研究が先行して法律とか予算がなったものの事例でございます。シックハウスの関係でいろいろ問題が出ていたということで総プロを国総研で行ってきました。特に、室内の空気環境の評価技術、性能表示の手法について行ってまいりました。その研究経緯としまして、法律改正ということでシックハウスの規制が導入されてきております。

 ちょっと詳しく説明しましたのが、これからの資料でございます。土砂災害の関係のものでございますけれども、国総研で先ほどの呉の分を受けまして、基準雨量の設定の高度化ということで、今までこの下にありますように累積の降雨量で判断しているのがほとんどでございました。それを累積だけでなくて時間降雨量との関係でいろいろ分析しまして、危険度とかを出して、警戒の情報を出すというものでございます。

 最近、行われたのですけれど、都道府県の砂防部局と気象庁が共同で土砂災害の警戒情報ということで発表すると、市町村単位で発表いたしております。あと避難勧告等に活用するということで、テレビ、ラジオとかのメディア、携帯電話にメールを送るという形で警戒情報を出しております。A3の資料にここら辺のものを入れております。

 それから、交通安全の対策の効率化のためということでマニュアルをいろいろつくっております。ツールとしましては、対策・評価マニュアル、交通事故の対策事例集、事故対策のデータベースというツールがございます。それで各都道府県で箇所を選定して、事故の要因を分析したりとか対策を行っていくというときに、これらの資料を使っていただいたり、アドバイザーとして国総研のほうで参画しております。

 あと、対策後につきましても事後調査とか評価を行ってきております。現場では、6割の自治体でかなり活用されていると考えております。

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 続きまして、密集市街地での火災の安全性の確保ということで、これは阪神淡路の地震とかを受けまして、密集市街地でできるだけ防火性能を上げる必要があるということでございます。平成10年から総プロで行ってきておりまして、その後の成果の公表とか取り組んできておりました。それで密集法ということで平成15年に法律が制定されました。それを受けて建て替えのときに不燃化された建物という形で行っております。一応、この実績として現在30%、8,000ヘクタールの密集市街地のうち3割ぐらいで、定義としまして不燃化領域率というものが40%以上という1つの境がございます。その不燃化領域のものには耐火建築物とか道路、公園とかの公共空間、そういうものを入れて40%以上ということで、今、3割ぐらいの達成になっているというものでございます。

 続きまして、マンションの建て替えも阪神淡路を受けまして、老朽化したマンション、壊れたマンションをどういうふうに再建していただくかということで、国総研のほうでプロジェクト研究ということで、マンション総プロとかで円滑な建て替えを行うというもので、建替え円滑化法が制定されております。それから、区分所有法につきまして、特に建て替えのときに5分の4、8割の同意がとられればそういう事業に進んでいけるという形で進んできました。また、実際にどういうふうにやるのかということで、建替え勧告基準とか建替えに向けた合意形成のマニュアル、建てかえるべきか修繕するべきかの判断のマニュアルを国総研から出されております。それを受けまして建替え実務マニュアルという形で行いまして、実際、15年から19年で建てかえの実績としまして40の事例が出てきているところでございます。

 それから、シックハウスにつきましても、15年7月に法律改正が行われています。先ほど言いましたように、その前に総プロで行われていました。その中でホルムアルデヒドとかトルエンとかの物質におきまして、建材の中から、現在では12年以降かなり減ってきているというものでございます。国総研の中では実用的な測定手法とか評価技術、化学物質の発生とか移動モデルとかを行ってきております。

 それから、下水道のマンホールとか下水道管の被害が地震のときに結構出ていると。特に2004年の新潟の中越地震では、マンホールで1,280基が浮き上がったり被害を受けました。管きょにつきましても延長で55キロが受けております。それを受けまして、国総研の技術支援としまして埋戻し方法とかが悪かったとか、それで液状化が起こったのではないかということで、通達、緊急提言ということで埋戻しのときに十分に締固めを行いながら90%という基準があるんですが、それに設定するか、あとはグラベル、砕石を入れることによって液状化を起こりにくくする。あとは埋戻しの中にセメントとか石灰を安定処理、固化材を入れてあげるという形で行われております。実際には3番が一番事例的には多いんですが、あと中越沖地震のときに3年前の中越からもう1回被害を受けたかといいますと、ほとんど被害がなかった。マンホールは1件もなくて、管きょについては0.4%だけが被害を受けたということになっております。

 それから、総合評価方式ということで、入札の形態でございますが、一時期、ダンピングとか低入札とかがかなりありました。それで不良工事とかになったりということで品質が低下するということで、品質確保の法律が平成17年に制定されております。それまでは金額だけでの競争での入札であったんですが、金額だけでなくて品質も入れた調達が必要だというものに変わってきております。それで総合評価方式というものが一応、提案とかにつきましても評価しながら行うというものでございます。それで金額が二番札であっても提案がよければ一番をとることができるということで、そのガイドラインをつくったりとか、適用の考え方とか実際の評価をどういうふうにするかということで、マニュアルとかをつくってきました。

 それによりまして、16年から19年では1億円以上の工事では、ほとんどの97%が総合評価方式で入札を行ってきております。

 また、それによる効果としてどういう効果が出ているかということでございますけれども、総合評価方式は簡易型、標準型、高度技術提案型という3つのやり方です。一部、手続きが違ったりするんですけれども、簡易型のものは受注された工事の中で、もらい事故とかももちろんあるんですが、そういう事故が7%から1.9%ということで安全対策は十分行われてきています。工事成績、65点といいますのは、その次の工事を受注するときにペナルティが課せられる工事でございますけれども、かなり粗雑な工事も減ってきているということでございます。

 また品質の向上ということで、特に道路関係の工事とかでありますと、工事をするとどうしても利用者に迷惑をかけるということで、路上工事の現場での日数、パーティー数を増やしたりとかしてできるだけ短くしようということで、赤のところは4分の1以下、75%以上、期間を短くしたと。あと施工日数、全体の工期についても短くすると。そういうことで道路の利用者とか沿道に住まわれている方に迷惑をかけないようにということで行われております。

 また、立体交差の事業でもそういう形で去年、東京都でやった工事で総武線の新小岩の駅前に立体交差をかけたんですけれども、それなんかは基礎から下部、上部全部を5カ月で供用開始をしております。今までであれば大体2年とかかかっていたんですけれども、それを半年以内でやるという形で、技術の競争をさせるというものが増えてきております。

 それから、これはITS関係でございます。前方の障害物が落ちているとか前方が渋滞しているというのを事前にカーナビとか情報板で出してあげることによって事故とかを防ぐというものでございます。あとはITS自体はもう10年ぐらい前からかなりの予算で重点的にいろいろな実証実験とかデモとかを行ってきております。また実道実験とかを行っています。

 これは参宮橋、首都高での例でございますけれども、前方に渋滞があるのがわからずに後ろから車が高い速度で入ってしまうと。それによって事故が今までたくさん起きていましたけれども、それがこういう形で情報提供することによって6割の事故が減っているというものでございます。右下は見づらいんですけれども、カーナビで出してあげたりとか、情報板を出すことによって急ブレーキをかける数が減ったりとか、カーブに入ってくる速度が下がっているというものでございます。

 続きまして、技術支援の状況でございます。政策の支援としまして年間500件程度実施しております。黄色いところは国交省の出先を含めた国交省、薄い青、189が地方自治体とかでございます。そういう形でかなりの数を行ってきております。

 あとは災害の調査につきましても、災害がないほうが一番望ましいんですけれども、少ないときでも40件、16年には豪雨、台風がかなり多かったということで110件、去年も地震とかがかなりあったということで90件程度になっております。

 それから、国際的な活動ということで、2国間とか多国間の協定に基づくもので年間に40から50件のプロジェクトを行っております。また、専門家の海外への派遣につきましても年間170、公務出張とかで出ております。

 続きまして、研究成果の発信でございます。研究成果につきましては、研究報告は年間80件、学会誌・専門誌は19年度は和文で570、英文で90、出前講座につきましては、19年度は37件、出前で講習会とかを行っております。ホームページとか広報誌につきましても努力いたしておるところでございます。

 研究者の育成でございます。下が平成13年のときの構成、部長クラス、室長クラス、主任研究官、研究官クラスの構成でございました。それが20年の段階ではこういう形で、濃いブルーが研究中心で3分の2以上の経歴、研究所にいる人、薄い青は行政中心の方でございますけれども、かなり行政もやられている方の割合が増えてきているところでございます。

 また、研究者の構成につきましては、交流研究員ということで民間から来ていただいている方が10%、任期付研究員ということで、大学のオーバードクターで来ていただいている方が5%でございます。

 研究評価の関係につきましては、本日、行っていただきます評価委員会、来週に3日にわたって開催します3分科会という形で、そちらのほうでは評価が必要な課題の事前評価、中間評価、事後評価を行ってきております。内部評価につきましては、この外部評価の事前ということで自己点検ということで行ったりとかすべての課題、各研究部、センター、研究室ごとの研究方針につきまして評価を国総研幹部で行っております。

 続きまして、活動全体の評価につきましては、機関評価の観点が今までは個別評価的なものでございましたけれども、今回、機関評価ということで評価いただきまして、今後も中期的に5年に一度程度、実施をしたいと考えております。また個別評価におきましては、事前、中間、事後の中で必要性、効率性、有効性の観点から評価を実施しており、適切かと思っております。また、事後評価で研究成果の目標とか達成がやや適切でないと評価された2課題があります。それにつきましては、指摘事項について対応を行っております。

 また、全体の姿ということで先ほど大枠の資料みたいな形で、全体的な目で達成状況の評価が必要ではないかと考えております。

 一応、7年間でいただきました評価で、事前評価につきましては67件いただきまして、改善策とか手法の改善とかを行っております。

 あと、中間評価につきましては6件受けまして、おおむね継続すべしということで指摘をいただいております。

 事後評価につきましては21件、先ほどの2件、やや適切でないという形でいただきまして、それにつきましては指摘事項について具体的な検討を行って、最終的な報告書を取りまとめております。

 すいません、ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。

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【委員長】  ありがとうございました。それでは、今のご説明に基づきまして、評価をいただきたいと思っております。ご質問、ご意見を自由にいただきますが、先ほど説明がありましたように、評価をすべき項目としてはパワーポイントの分類に従えばいいかなと思っておりますが、まずは国総研の組織面とか予算等と研究活動の方面と2つに分かれまして、研究活動はコア等の研究の分類を行って、その中の重点化をしているところはどういうところかというところと、成果がどんなふうに反映されているかという事例をご説明いただいております。

 それから、この辺が中心中の中心だと思いますが、国際貢献の問題、国際活動の問題、発信の問題、研究者の育成の問題、最後に本委員会がどのような役割を果たしているかというご説明をいただいております。大体、こんなところの項目についてのご意見をいただきたいと思っております。もちろん全く別の観点からのご意見も歓迎いたしまして、項目別にご意見をいただくよりもまとめてご意見をいただいたほうがいいと思いますので、ご質問、ご意見のほど自由にお願いいたします。時間は1時間ぐらいありますので、ひとつよろしくお願いします。

【委員】  大分長くこの評価委員会に出させていただいておりまして、それでこの間の一番大きな前進点は、研究マネジメントの方針を策定されたことなのではないかと思います。コアとか大枠とかそういう形で策定されて、それに従って毎年、点検評価を自分たち自身でやっていくという形にされたというのが非常に大きな前進だと思います。前にも伺ったかもしれませんが、コアと大枠で定める研究テーマとの関係がどういうふうになっているのかというのがちょっとよくわからないので質問します。具体的にコアの中にはこの分野ではこういう研究をすべきだとか、こういう研究テーマを含めるとか、例えばこういうデータを毎年蓄積していくのがコアの活動だとか、何か具体的なテーマを含むものがありますか。それとも、コアはそうじゃなくて考え方がコアなんだということなのか、そこがよくわかっていないのでご説明いただければと思いますけれども。

【事務局】  まず、コアがどのようなものがあるかということで、資料3の25ページに現在設定しているコアのテーマということで、各研究部・センターごとに数個ずつ挙げているというのが現状でございます。

ごらんいただきますと、ご説明の中でも申し上げましたとおり、例えば上から2番目に下水道研究部、下水道管路のアセットマネジメントといったテーマが掲げられておりますが、具体的には管路の改修データ、劣化状況等のデータ収集ということで、例えば下水道ですと地方公共団体がそれぞれの事業を行っておりますので、全国的な状況がどうなっているのかということの把握は、各個別の地方公共団体では難しいような状況です。そうしましたときに、国としてそうしたデータを全国的に集めていくというのが1つの大きな役割になってございます。

 ですので、そうしたところから見えてくる課題というものを次に研究テーマとして、各研究部で設定、検討していくということにつながっていくというのが実態であろうかと思いまして、大枠は政策的な分野的に課題意識からおろしてやっておりますので、直接リンクするというものではないと思うのですが、その政策的な課題の掘り起こしの基礎となる、国しか持っていないデータをまずは堅実に集めていくといったイメージでございます。

【委員】  ちょっとよろしいですか。

【委員長】  どうぞ、コアはわかったんですね。

【委員】  よくわかっていないことでまた質問するんですけれども、コアはそういうことで定常的にずっとやらなければいけない、毎年毎年積み重ねていかなければいけない活動ということでした。そうすると大枠というのはそれとの関連はありつつも、違った形で政策分野に対応して研究テーマを決めていると。そうすると、先ほどおっしゃった1年間に390ぐらいあるテーマの中に、具体的にコアから出てくる研究テーマもあるんでしょうか。

 つまり、せっかくコアとか大枠を決めたんだから、それぞれが毎年毎年どういうふうに進められているのかがわかれば非常に理解しやすいと思うんですが、その辺の関係を教えていただけますか。

【事務局】  実際にはプロジェクト研究等になるような大きい研究というものもあるんですけれども、基盤的研究のようにわりあいと個別課題に則した形での研究というものも多数ございますので、実際にコアから出てきた課題意識に基づいて進行しているような例もございます。あと例えば、建築関係などにおきましても、実際に建築物のデータ収集等を継続的に行ってまいりまして、それを建築基準法の改正につなげるべく、基礎的な基準の研究等を基盤的研究で継続的に行っている研究がございますので、そうした中で反映しているというものがございます。今、個別のリンクということがすぐ出てまいりませんので恐縮です。大枠の中にコアから出た課題意識が入りまして、それは一番右側の実施すべき大枠というので表がございまして、字が大変小さくて恐縮ですが、内容はほとんど見えないような字で申しわけございません。

  例えば、25ページの真ん中の下あたりをごらんください。小さい字で恐縮ですが、コア関連と括弧書きで書いてございます。実施すべき行動の一番下の部分です。例えば、こうしたものについてはデータ収集をしまして調査等に反映させているといった事例でございます。分けて書いてあるタイプです。

【事務局】  25ページの交通安全もコア関係なので、結果的にデータ収集をしながらいろいろな政策にもっていくという形でやっております。

【委員】  わかりました。どうもありがとうございました。

【委員長】  なるほど。どうぞ。

【委員】  ○○様の研究のご説明、ありがとうございました。スライドの10ページに研究方針のことが書いておりまして、研究方針が平成13年、16年、18年と非常に機動的に改訂されております。これは大変立派なことだと思うのでございます。特に昨今、例えば建築分野で申しますと耐震偽装の問題とか温暖化防止のための炭酸ガスの6割削減とか8割削減問題など、社会の変化が大変早くて、それに対して国土交通行政がどう敏速に対応できるかということが非常に大きな問題となっております。国総研の研究方針の改訂というのは国総研が自律的にやられたものか、あるいは評価委員会等で何か要望があったのかについて教えてください。それからもう1つは、国総研の方で変えようと思ったら簡単に変えられるのか、それともかなり難しいのか、その辺の仕組みについて教えてください。

【事務局】  済みません、国総研発足当時、研究方針という考え方を出してつくったのは私なので、ご説明したいと思うんですが、発足したときに、さて研究計画をつくろうという話が持ち上がったんですが、政策研究所が5カ年計画というのはちょっとなじまないのではないかと。むしろ、今、我々はこれが大事だと考えていて、だから、これをやっているんだ、これを毎年毎年変えていくことがむしろメッセージにもなるし、方向性も示せるのではないかということで、必要に応じてローリングして変えるという前提でつくったのがこの研究方針でございまして、基本的には我々が必要と感じてこう変えたい、変えましたということを評価委員会でご報告すれば、一応、変えられるということになっています。独立行政法人等で中期計画を変えるのは非常に大変な手続きが要りますけれども、そういう法律的な縛りは我々の研究所にはかかっていませんので、むしろもっと自由に変えていいんじゃないかと私は思っているところでございます。

【委員】  それはすばらしいですね。独法の場合、5年間の中期計画がありまして、それなりの手続きを経ないと勝手に変更できません。研究計画は社会の変化に応じてダイナミックに変えないと、社会の要請に対応できないと思います。ありがとうございました。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  ありがとうございます。今の社会への変化の対応ということでご質問などがありましたので、それに関して私も質問というか一言お聞きしたいなと思うことがあります。やはり私自身は環境分野で動いていまして、特に1年前のハイリゲンダムサミットから帰られた安倍首相がいろいろとスピーチされたあたりからも、将来ビジョンに関してどういうふうに政策を変えていくかということが、政府で大変真剣に取り組まれてきたという感じがいたします。

 それで最近の福田ビジョンに関しても、2050年、COマイナス80%というのは、世界的な合意の数字はまだでも、科学的な研究者の数字からいえば、当然、日本がそういうふうにやっていかなければいけないというのは言われている数字ですので、そういうものに向かってどういうふうにこの研究成果を生かしていくかというのが今、大変問われていると感じています。

 国土交通省の社会資本整備審議会でのいろいろな温暖化対策などについて伺うような委員会に出させていただいているんですが、モデル事業とかそういうのはかなり政策のメニューは出てきていると。そうすると、今、それぞれを全国にどういうふうに展開するとかそういうことが政策との連携ということから考えれば求められているんじゃないかという感じがするんです。最初のころのお話で、政策にどういうふうにこういう研究を生かしていくかというのがこちらの大変重要なところといろいろお話を伺っていますので、そういうことを考えると、こういう大きな変化の時代にきちんと対応するような政策をどういうふうに提案していくかというあたりを明確に意識されるということがとても大事なんじゃないかなと思うのですが、そういう意味では、今、お話を伺った中で一つ一つの研究も非常にしっかりしておやりになっているんですけれども、今後、どういうふうにそれを生かして全国に展開していくのかみたいなあたりへの提案など、何かそういう動きをされているのかというのがあんまりぴんとこなかったので、その辺をお話しいただければ大変ありがたいと思うのですが。

【事務局】  済みません、事務局の資料の作成の仕方が個別的になってございまして大変申しわけございません。パワーポイントの13ページをごらんいただけますでしょうか。ごく簡単に書かせていただいてございますが、まず、研究成果を国の政策としていかに反映していくかということが国総研の使命であると考えておりまして、その具体的な方法としましては施策へ反映していくということが1つあるのかなと考えておりまして、例えば、法律でございますとか政令、省令、告示、技術基準といったあたりに適用されていきますと、全国で適用される基準または法律といった形として、世の中全体で使われるということになりますので、1つ、目標としましてはこうした形で施策という形で打ち出していくことによって研究成果をつなげていくということが大きな課題であると認識しているところでございます。

【委員長】  ちょっと待ってください。今の○○委員のご質問は、特に温暖化対策としてどういう形の取り組みをしているかと、それについて教えてほしいという要望であったように僕は勝手に解釈したんですけれども、違いますか。

【委員】  例えば、いろいろ個別のモデル施策をきちんと定着させるためにどういう展開の施策を打っていらっしゃるかみたいなところがもうちょっと見えたほうが、私もそういうことを伺いたいというイメージなんですが。

【委員長】  どうぞ。

【国総研】  すいません、環境研究部長でございます。お手元の参考資料の大枠の資料の中で41ページでございます。

大枠の地球温暖化の問題、緩和策の問題でございまして、これは実は申し上げましたように国総研の全体の大枠の施策をそれぞれ大分類、中分類、小分類、達成すべき状況、実施すべき行動、実施すべき研究というもので、少し更新しておりまして、2006年から2010年までということで書かせていただいて、現時点でもう既に終わっているものももちろん幾つかございます。いろいろな研究部でやっているものを網羅的にいろいろ私ども整理させていただいたものでございまして、41、42、43ページが緩和策の問題ということで整理をさせていただいております。

 それから、お手元の資料で適応策の関係につきましても、46、47、48ページは適応策の関係につきまして整理をさせていただいたものでございます。この中では、先ほど言いましたように、いろいろな形で取り組んだものや既に終わったものの中で具体的に施策に反映している、あるいはものによってはそういう技術基準、ガイドラインに反映をしているという形で整理をさせていただいているということでございまして、こういった研究を見直すことによって成果をあげていくような、あるいは全国展開を図っていくような形にしていくものと思っております。

 特に、全国展開の話につきましては、先ほど事務局からお話しさせていただきましたように、技術基準ですとかあるいはガイドラインを全国に普及することによって、その一端を担うことによって貢献させていただいていると思っております。

 以上でございます。

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【委員長】  私はわかりました。よろしいですか。どうぞ。

【委員】  丁寧にご説明いただきましてありがとうございます。関連でもう1つだけ簡単に教えていただければと思うんですが、予想以上に非常に施策が早く展開しているというか、ちょっと驚きの展開ぐらいな勢いで展開していると思うので、そういう先を読みながらどう研究をしていくかとか、その辺の動きを今どういうふうにつくっていらっしゃるかを教えていただければありがたいと思います。

【国総研】  私は総合技術政策研究センター長を兼ねています。先ほど契約発注の例が挙がっていましたが、これも予想以上の勢いで一般競争入札になり、総合評価というお金以外の要素を入れる方式も急激に進みました。我々の研究室の中の建設マネジメント研究室というのが発足した当時は、これからどういうエリアを研究したらいいかと考えていたんですが、ある時期、本省のほうに火がついて、制度をどんどん変えなければいけないと。我々が提案する相手方に火がついた状態になりますと、そのタイムラグがぎゅっと縮まりまして、今やほとんど本省と一体になって、違うのはつくばと東京の距離感だけで、そのぐらいの時間の差で一生懸命支援しています。これが鎮静化してくると、少し時間の余裕を持って、エリアを広げてという研究になってくると思うんですが、どうしてもほかの研究所と違って一番行政に近いところにいる研究所ですから、そのあたりのスタンスも伸び縮みせざるを得ないのかなという気がしております。

【委員】  ありがとうございます。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  私が聞きたかったこともまさに今答えられたそのポイントで、この国総研の研究の方針が、先ほど○○委員が説明されましたようにコアと大枠、いろいろな話があるんですけれども、コアは何にでもという言い方はよくないでしょうけれども、何にでも役に立つように、ふだんからきちんとデータを国としてまとめられるところはカバーしておかなければいけないという使命感に立って、あるいはそれができるところだということでやられていると。もう1つ、大枠というのはまさにフィロソフィーが入っている、それはどんどん変わっていく。ただ、そのときに一番気になるのは、それが研究になって、政策に生かされているのか、施策に生かされているのかどうかがポイントになるんだけれども、それが生かされるか生かされないかは、本来は国民との合意の上で施策というのは動くわけだけれども、一番大事なところは本省とどんなパイプを持ってやっていられるのか。国総研と本省はどんなふうな関係なのかというのが、国総研の評価と言われたときに、政策に生かされているも生かされていないのも本省次第だろうという言い方だって場合によってはあり得るわけです。そこのところをどういうふうに国総研はイニシアチブを持って本省と対抗しているのかというところが、あるいは今おっしゃったように一体なんだと、本省の一部を担っているんだという位置づけをしていくのか、その辺を明確にしないと国総研の評価というやり方、我々がやらなければいけないときに、少しどんなスタンスでものを見たらいいのかというのは気がかりなところなんです。

 それから、先ほどからもお話が出ていてコアと大枠、それから、研究も機動的研究から基盤研究、そういう分類があって、それからもう1つは組織として横に連携するプロジェクト研究が大枠のところでうまく説明してあったんだけれども、口頭での説明のときにはあまり全部説明されなかったんだけれども、結局、評価しようというときに知りたいのは、コアというベースがどこに役に立って、どんなイニシアチブ、あるいはフィロソフィーの大枠のところに入っていて、それがどんなふうに基盤研究、機動研究、政策研究と成り立っているかという系統図、そういうものを見せていただければ評価するときに便利かなと思ったし、それが組織の説明じゃないかなという気がして、それが明確になっていれば、非常にスムーズにいっているのかなという気がいたしました。

 もう1つ、別の観点で、一番最初に組織の話をされたときに予算の話がありました。予算は部門ごとにどんなふうに予算が配分されているのかという話と、もう1つは経年的にどんなふうに動いているのか、その下にその予算元についてはいろいろものがありますと書いてあるんだけれども、それの比率みたいなものはあまり書かれていなかったです。競争的資金、外部から入れているものがどうか、どういうふうな予算のもとがあるのか。この中でちょっと気になるのは、競争的資金をどういうふうに獲得しているのかという話と、もう1つは、先ほど本省とどう一体化と言ったんだけれども、逆に国交省の予算はどんなふうにほかのところに競争的資金としてくくってもらっているのか。これはとられているというのではなくて、競争的資金を外部から、例えば環境省のお金をとっているという説明がありましたけれども、ほかのところからお金をとるということは非常におたくにとって大事なことなんだけれども、逆に国交省のお金がほかのところにも競争的にとられて、協力的にやっているということも非常に重要なことで、予算のところにそういう表現が少しほしいかなという気がしたんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。

【事務局】  本省とのパイプにつきましては、ほとんどの研究室、本省と常にやりとりしているといいますか、私も独法の土木研究所に15年間いたんですけれども、国総研のほうは協力関係で国交省に呼び出されているというか、いろいろとすぐ対応すると、あとは重点施策につきましてもいろいろ助言を出したりとかデータを出したりという形でやられてきております。

 また、いろいろな予算とコア、大枠の関係、きれいに整理できていないんですけれども、そこら辺も今後、参考資料3の大枠のところで予算の費目とかも書いていくべきかなと思っております。ここまで今のところできておりません。

【国総研】  在職が一番長いものですから、割り込んで説明させていただきます。

 きょうの説明も、我々の研究所が、ほかの研究所と形状的にも、動き方もどう違うのかということをちゃんと説明してもらうように頼んだのですが、なかなかそうなっていなくて、わかりにくかったと思います。所長が、かわったばかりのところで言うのは申しわけないんですが、予算の大半はほとんど本省の部局との間の打ち合わせで決まってしまいまして、所長の采配で配れるところはかなり限られます。いろいろな指導はできますけれども、基本的には各研究部、研究室がそれぞれ密接に関係する本省の部局がありますから、そことほとんど通常は一体になって連絡を取り合いながら。ただ、先ほどの説明でも研究の種類が何種類かございましたけれども、機動的とかそういった研究はまさに本省から急いでやってほしいということで機動的に対応するような研究、そういう余地をちゃんと残しておく。

 基礎研究はむしろ我々のほうから、いろいろ活動している中で気がついたこと、個人のアイデアを少し予算は小さいけれども、育てていくという研究でございます。

 もう1つの大きなプロジェクト研究というのは、国総研としてのプレゼンスを高めようということで、総合的な研究を大きくしてアピールしようという内容でございます。そういったことをいろいろ組み合わせて対応しているということかなと思います。

 それから、本省との関係でいいますと、本省はもうほんとうに今日、明日、すぐに答えなければならない、あるいはうっかり発言するとそのまま政策ととられてしまいますから、非常に慎重に失敗しない話しかできないところがあります。その辺は私の経験になってしまうから、ほかの部長さん方、異論があれば言っていただきたいんですが、研究所の場合ですと、もう少し自由に、専門家としていろいろなところで発言したり、書いたりする機会がありますから、少し早目に、将来はこういう方向に行くべきではないかというような発言をしたり、書いたり、あるいは学会等で動きをつくったりということができて、それで世の中の雰囲気が少しずつ動いてくる中で、本省にゴーサイン出してもらって動くというようなことも現実にはあるかと思います。

【委員】  先生、ちょっといいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  きょうの1つのポイントに、施策にあるいは政策にどれだけ反映されたかが、国総研の研究所としての評価の1つだと言っていたんだけれども、実は、それは本省と丸抱えというか、まるで一体感があるから当たり前の話で、本省が施策化したいものが国総研にある意味では研究に出ているわけで、そうなると、ほんとうに施策に反映されたから、この研究が役に立っていたという評価ができるだろうかというところが疑問に感じるんですね。国として大事な施策の一翼をもともと担っているところで、それがどれだけ達成できているのかという評価で、我々も最近は政策にどれだけ反映されたかというのが大学の研究なんかも1つの評価ポイントになっているんです。それは全く何の依頼もサジェスチョンもないところで研究したものがたまたまヒットして、政策に反映される、これは研究の評価として非常に高い評価を受けるという判断というのはあり得るんですけれども、もともと政策のための何らかの作業と言ったら申しわけないんだけれども、与えられたものをやって、それが政策に反映されましたよというのは、果たしてほんとうの評価になるんだろうかというところが、ちょっと気になったので聞きました。

 これはしかし大事なことで否定するわけでは全然ないんですけれども、ただ、もう1つ大事なのは、ほんとうに各研究室が、各部署といいますか本省の課と連結していて、国総研というのは、一体どんなふうにアイデンティティーをとれるんだろうかということを国総研の評価としては、私は重要な点だと思いますので、何でも何でも国総研の組織をあまり明確化しないでそれぞれの研究室がそれぞれの課とつながっているという状況は効率的なんだけれども、ほんとうにいいんだろうかというところに問題提起をしたいということでございます。

【所長】  霞ヶ関的感覚から逆に見ると、多分、詰めることがもう一つ不得意なんですよね。その場、その場でばんとやっていかないといけないので、そういう意味では、国総研だけではないのかもしれないけれども、特に国総研に期待することの1つに、しっかりしたロジックが整理されているというところに、そこが心配だと、国総研に注文をするので、そこは、もう建築だとか、港湾だとかいろいろ若干差異はあるかもしれませんが、本来、そこがしっかりなっているかどうか大事だなと思うんです。

 もう一方いくと、逆に少しテーマ性を持って調査研究をしっかりやっているからこういうことをやっていかないといけないというほうが、本来は出ては少しいるような気も僕はぱらぱらとするんですけれども、そこがもう少し明確になっている。両方とも結構、その場、その場で切った張ったをしている霞ヶ関と違う、もっときちんとした、きちんとやっていることの個々の組織の大切さみたいなものをやっているんだろうなとは思っています。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今、所長がおっしゃったことは非常に大切で、まさにそのとおりだと思います。先ほど、○○委員がおっしゃった温暖化の問題に関して、先ほど、○○さんから紹介していただいて、おっ、こんなにやっているんだと数ページあったんですけれども、それは個別の課題がたくさん並んでいるわけです。個別にそれぞれ対応する技術や研究はこれだけありますということですが、例えば温暖化問題、2050年にどうするかとか、それから、そのときに我が国の社会が少子高齢化していて人口も減っているとか、もちろん交通体系や産業の分布も違っているということになってくると、そのときに我々の国土の構造がどういうふうになっているのかというのが見えていなければいけないと思うんです。

 その個別の技術を全部使って2050年までの間に我々の国はどういう姿になっているんだろうかということを国総研の方々の力を使って見せていただければ、国民の人は非常によく分かると思います。

 さらに、そういうものを実施するときに、国総研の中だけでやるのか、そういうことのコーディネーターとして他の研究機関や大学や民間企業やそういう方々と一緒になって研究会をつくってやって、1つの大きな像を示していくような役割を果たすのか。言ってみれば、個別の分野それぞれの政策ニーズ、技術ニーズにあわせた個別の研究をシステム的につなげた骨太の研究みたいなものをやっていただく役割もあるんじゃないかと思います。

 そういうベースがあって、霞ヶ関本省の人たちと話をしていると、本省の人たちが今持っている現実のニーズと少し先を読んだ上での技術的なサポートというのが何かうまく絡んでくるんじゃないかなと思います。温暖化の問題を例にとりましたけれども、そこだけではなくて、ほかの分野でも同じようなことが言えると思います。

【委員長】  どうぞ。

【国総研】  ちょっとよろしゅうございますか。今、○○委員のご発言と○○委員の発言の両方をちょっと考えながらご説明させていただきますと、平成18年7月に研究方針を改訂して、コアと大枠という概念を入れた。

2年前にコアと大枠という概念を研究方針に入れて、それから、作業状態に入って、それでまずコアを決めて、その後、大枠を、それは平成19年後期ぐらいに決めたんだと思います。僕、その間、建築研究所のほうに出ていたものですから、作業そのものには従事しなかったんですけれども、そういう形で作業しました。それのアウトプットが今、参考資料の3の中に示されているわけです。

 そのコアとか大枠をつくるということは何かというと、本省との関係でいうと、研究所としてのアイデンティティーを何からの形で出そうということで、そのコアをつくり、あるいは大枠というのを向こうから振ってくるわけではなくて、研究所の側から見て大枠というものをパースペクティブしようということで作業してその結果です。これが完璧なものにできているという意味で今申し上げているわけではなくて、そういう国総研のアイデンティティーをつくろうとして作業した結果がここにある。そのときに、必ずしも世の中の動きにあわせていない部分もあるかもしれませんけれども、1つだけ見ていただきたいのは、今まで国総研がつくる研究ごとのマップというのは、国総研の研究を何をやっているかというマップしかなくて――なくていうとちょっと言い過ぎかもしれませんけど、あまりなくて――ほかの研究機関なり、あるいは地整がどういう動きをしているかみたいなことを今入れようとしているんですね。全体の動きの中で、自分たちがどう動いて、どう働きかけていこうかということを今考えようとしています。

 だから、この大枠という材料をもとに、研究方針というものが毎年変わるというよりも、先ほど○○さんのお話を少し補足すると、大枠というのがひょっとしたら毎年でも変えていって、それを世の中にプレゼンテーションすることによって、国総研はこういう考え方で研究に取り組んでいて、その中でこれをやっているんだという説明をしていければ一番いいかなと思っているところです。

 ただ、ここが今、そういう議論をきちんとされているものではないものですから、今これをもってこうですよというプレゼンテーションはなかなかできないんですけれども、考え方としてはそういう考え方でやって、きっと大枠を例えば本省に示すと批判があります。あるいは○○委員が先ほど環境部長は説明したけれども、細かいことがいっぱい書いてあって、大枠とは呼べない枠じゃないかみたいなことを実際は言いたかったんだと思いますけれども。

【委員】  いやいや、そういう意味じゃないですよ。

【国総研】  すいません。そういう批判をいただいた上で、またそれだったら自分たちは考え直して、それだったらこうだというものを示していければ、かなり国総研らしい研究フィールドができるのではないかと考えているところであります。

【委員】  私はそう言っていただきたかったので質問したんです。

【委員】  ちょっとよろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  初めて参加させていただいて、ずっとご説明をお聞きしていまして、私も一時期、自分のところの研究所のほうに携わったこともあるものですから、研究員の方々がほんとうにお忙しい中でやっていらっしゃるのがよくわかる気がするんです。特に、この大枠を見せていただいたときに、項目としては、あるいは実施すべき行動、あるいは研究としては挙がっているんですけれども、スケジュールには入っていないというようなのがどうしても出てきてしまうんですが、こういう場合の取捨選択、あるいは優先順位みたいなのはどうしても政策との関連で決まってしまうんでしょうか、何かそういう別の軸を持っていらっしゃるんでしょうかというのが1つと、もう1点、先ほどからも出ておりますけれども、発表の中でも幾つかありました。例えば、水田への水利の問題とか、広く国民のほうから見ると他省庁との関連が非常に強い問題が、あるいは港湾の水の問題だとかでもあると思うんですが、そういうところでの共同研究だとか、そういう面では何か方針を持っていらっしゃるんでしょうか。

【事務局】  まず、大枠の表の一番右端の実施すべき研究というところに、当然のことながら名抜きができてくるということでございます。この大枠、研究マネジメントの一環として作成をいたしておりますので、そうした予算の成約の中で何を優先していくのかということを考えたときに、その政策分野という観点から見て今、何をやっていくべきなのかということを1つ、優先順位の判断をつけるための材料としても考えていくために、何を要求していくかということを考えるためにということでも内部で検討の材料として活用していくということを念頭に置いております。ですので、特にほかの軸があるということではございません。

 また、他省庁の関係ということでございます。こちらの各研究部でスタンスの違いということがあると思うのですけれども、例えば、今、ちょうど皆様お開きいただいているかと思いますが、41ページ、環境関係のページをごらんいただけるかと。お開きをいただきますと、例えば右端、研究の名称といたしまして、だいだい色が国総研でみずからやっていくべき研究という位置づけで書いているものでございまして、水色が他機関でこうした動きがあるというのを把握したものを入れていたり、関係がある、調べたり、共同でかかわりを持っていたりする他省庁の研究を把握できる部分を入れていったりということでして、そうした中で、お互いにどうした役割分担があり得るのか、またはこうした中から共同で政策研究を進めたほうがいい分野があるのではないかということを一覧性の中で探っていこうという形で扱っているかと思います。各部長方から具体名で共同研究で方針を持ってということがあれば補足をしていただけると大変ありがたいんですけれども。

【所長】  結構やっているんでしょう、やっているという状況を言えばいいんです。

【国総研】  共同研究ですけれども、かなり積極的にその中心になれるように一生懸命やっています。その前のご質問で、大枠とかいろいろやるべきことがたくさんある中でどういう順序でやるのか。これは実際に私も自分の経験で申しわけないんですが、我々の仕事というのは世の中とかかわっていて、世の中の動きなり、方向を何がしか変えたいと思って仕事をしていますから、どういう順序で、どういう布石を打っていったらここの研究が盛んになるかとか、そういう順序を考えているのが多分本来の姿ではないかと思っています。単に予算がついたからというのは消極的で、できれば、最終的にこうしたいからこういう順番でやっていくべきだという形、これが理想だと思っております。

【所長】  すいませんが、さっきご質問の政策順位とピッタシカンカンなのか、それ以外のものというのはあるんですか。あれば、なければほとんど先ほどのご質問から政策順位というか、それに引っ張られたものがうちもほとんどなので、それは社会がそれを求めているときだから、ある種、当たり前なんですけれども、ということでほかがあるのでしょうか、ほとんどない。

【国総研】  いや、霞ヶ関の順番とは違う場合もありますけれども。

【所長】  それがこんな場合というのをちょっとご紹介いただいたらわかりやすい。

【国総研】  さっきの例で出てきた、最近話題の道路橋の維持管理ですね。最初は更新需要が減っちゃうということで、長寿命化とは言いたがらなかったんですよ。ただ、それは私のところで十数年前からどう考えたって長寿命化しなければお手上げになりますとずっと言い続けている中で、ある時期から白書にも取り上げられるようになり、学会等でも研究者が随分増えて応援団が増えてきてということもありました。自分のことで言えばそのぐらいしか今ないんですが、そういうことはほかにもあるんじゃないでしょうか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今の○○さんのお話で大分安心しました。先ほどからどちらかというと霞ヶ関との対応に追われているという状況がわりに多いのではないかという風に受け取っていましたが、研究所としての確固とした方針を持って研究先行型の研究もしているということに安心した訳です。最近、例えばIPCCなんか見るとわかりますように、国際政治自体もいわゆる科学をベースにして非常にオープンに議論されることが増えてきております。だから国土交通行政も、過去の法律の専門家の専管事項からサイエンスやエンジニアリングをベースにした活動が今後増えてくると思います。そういう意味で国総研の役割はますます大事になると思います。申し上げたいのは、エネルギーの半分ぐらいは研究と研究推進の基礎体力を培うような配慮を持ちながら運営していただけるとありがたいということです。霞ヶ関への対応は、明日を争うようなテーマが多いようでございますから大変かと思いますけれども、基礎体力をなくしたままでは、政策支援のオーガナイザーの役割を務めることも難しくなる事態が発生しかねないと思うのでございます。国総研ですから、そういう日本の風土を踏まえて、国土交通行政にかかわるサイエンスやエンジニアリングの元締めの役割も果たすような志を持っていただきたいと思います。

【委員長】  ありがとうございました。

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【国総研】  ちょっと1つ。今の○○委員の話とは直接関係ないんですけれども、先ほど来議論になっていました本省主導でない例として、パワーポイントの26ページに密集市街地のシミュレーションの話がちょっとのっているんですけれども、これなんかはもともと阪神淡路のときにかなり燃え方が特性があるということがあって、個別の燃え方の研究がその段階で進みました。それまで火事が起こったらどこに延焼するみたいなものはあったんですけれども、震災のときにどういうふうに燃え広がるかみたいな研究があまりきちんと系統的にはなされていなくて、阪神淡路を受けて個別の燃え広がりの研究が進んで、それをある地域で統合しようという形で延焼シミュレーションみたいなものを開発しました。まだ発展途上かもしれませんけれども、これが開発されて、これはもう研究者が独自に、これは重要だということでやっておられたやつについて、法律を改正しようとしてデータを集めようとするとこれが非常に使えるみたいな形で生きています。

 僕は建築が専門なので、ほかにも例示があるかもしれませんけれども、そういう形でわりときちんとしたことを、研究者の問題意識でやっていただいたものを国のほうが全然別の視点で使えると。これはどちらかというと法律改正のときの資料が整うということよりも、実際にどれだけ危険かということをわかってもらうことが必要だということで、対公共団体なり、あるいは対NPO向けみたいな形で開発していたものだと思うんですけれども、それを法令の具体的な数値基準を使うときに使えたというので、非常におもしろい活用例ではないかと考えております。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  質問があります。パワーポイントの37ページになりますけれども、研究者の育成についてということで、行政経験を有する研究者の増加と任期付研究員ですとか、交流研究員等の多様な人材の確保ということで、平成13年度から20年度にかけての大きな変化が示されています。これと13ページにある研究成果の施策への反映状況というものとの関係ですね。これが終わりなのか、またあるのかという質問が1点と、今後どのような研究者を育てていこうとしているのかの2点についてちょっとお答え願いたいんですが。

【国総研】  国総研全体の状況にはならないかもしれませんが、13年度と20年度、おそらく13年度は独法と分かれた直後の状況を示しておりますので、非常にまだ土木研究所であるとか、建築研究所であるとか、港湾技術研究所の研究ベースで運営された組織要素は色濃く残した状況を反映していると思うんですが、それから7年たって、実は、マネジメントする部長とか課のところの行政経験のほうが非常に増えてきていまして、研究成果をどうやって行政に適用していくかということをマネジメントする部分が非常に人材的にも少なくて、ただ、非常にベーシックな研究をしている室長、主任研究官のところはずっと研究として補充されている。

 先ほど非常にその時代に要請して、すぐ答えなければいけないような研究テーマについては、任期付研究官とかを採用しているとか、それから、交流研究員という形で、民間の企業から研修という形で受け入れていますけれども、そういう方なんかはほんとうにこの一、二年ですぐ答えが出したいというテーマに当たってくださっていると。こんな感じで少しずつ研究のスタイルといいますか、やり方が徐々に変わってきているのかなというのがこの人材育成コースのところにあらわれて。

【委員長】  どんなふうに変わっているということになりますか、もう1回。そこのところが一番キーポイントの1つだと思う。

【国総研】  部長とか官クラスの、いわゆる本省とのマネジメントする部分に行政経験をしたところが厚くなってきていて、室長とか主任研究官とか、いわゆるもっぱら研究の特化した、深堀りしているといいますか、専門的なことを深めているところには、研究オリエンテッドの方がずっと配置されてきていて、非常にテーマ性が高い研究とか、非常に急いで出さなければいけない部分については、任期付研究員であるとか交流研究員の方がそういうテーマに短期的に当たっている。大体、意識的にはしていませんけれども、長い流れを見ていると、そういう形に研究のテーマと人の配置というのがなってきているかなという感じはしております。

【委員長】  この仮説は少しいろいろなご意見があって、取りまとめていただくとありがたいですね。

【国総研】  補足ですけれども、今の○○のほうから話があったようなんですけれども、69ページの図を見ていただくと、ですから、部長クラスのほうは過去の7年間の変化で見ても行政的な者が増えてきておりますけれども。

同じグラフが載っておりますけれども、過去の7年間の変化はそのように部長クラスは行政経験者のほうが増えてきておりますけれども、これは国総研の役割の行政支援とか、技術基準の作成ですとか、そういう行政にかなり近い立場で研究をするところの必要性から、研究マネジメントをする者は研究中心的な者もおりますが、行政中心的な者が増えてきていると。逆に、主任研究官とか、研究官とか、研究の実務に携わる者は、例えば主任研究官のところを見ていただくと、研究中心はあまり比率が変わっていませんけれども、研究、行政両方やっているというタイプの者は増えてきております。研究官のところを見ていただければ、研究官のほうは研究中心は減っておりますが、研究と行政両方まで含めると、あまりここは比率的にはそう大きくは変わっていないというところかと思いますけれども、ですから、主任研究官、研究官、研究の実務を担うところについては行政もわかってなければいけないし、研究もできなければいけないというところなんですけれども、国総研の研究者の構成として、研究のほうにかなり重点を置いたほうへ多少シフトをしてきているということかと思います。

 今後の方向性も一概にどっちがどう増やすというのは非常に言いにくいんですけれども、基本的には研究はもちろんできなければいけませんし、行政がどういうことを望んでいるか、どういう方向に行くかという、行政もわかっていなければいけないんですけれども、そういう中で、マネジメントクラスの者はそういう面が強くなりますし、研究の実務を担う者は行政もわかった上で研究ができるという面が強く出していく必要があるかというような方向で考えております。ちょっとはっきりしない面もありますけれども。

 それから、もう1つの前半でおっしゃいました13ページですか、施策への反映と研究者の構成の変化ですが、これはそれぞれのところで説明しましたような事情でして、直接的な関係というのは特にあるというふうには認識はしておりませんけれども、施策への反映はその必要性に応じて反映してきたということかと思いますけれども。

【国総研】  7年目の機関評価だから少しはっきりと話したほうがいいと思うんですけれども、先ほど所長が自由に動かせる予算はごく一部だという話をしたのと同様、人事も建築系、港湾系、少しずつ違うんですが、特に旧土木系は基本的に100%本省人事です。ですから、発足したころはそれまで研究をやっていた人が多かったんですが、それから7年もたつと2巡、3巡と人事が回っていまして、特に土木系は3年たつとほとんど入れかわっている状態なんです。だから、そういう中での育て方、研究のパターンというのをつくらなければいけないと。これは制約条件をはっきり見据えてやらないといけないなと個人的には思っていて、具体的にどうかというと、一番いいパターンは、実際に現場でいろいろ経験する中で問題意識を持ったり、いろいろなことを見てきた人をできるだけ研究所のほうに引っ張り込んで、そこで2年、3年、できれば3年以上いてもらって、何か落ちついて考えてまとめてもらうと。今度はそれを持って現場に出て、あるいは本省に出て、実現するために活躍してもらうというパターンが1つあるんじゃないかなと。

 ただ、これも1つのパターンであって限られた人事、今、実は国土交通省、特に、若い人がものすごく足りないんですね。そういう中で、研究所としてどういう形ができるかというのを真剣に考えなければいけないと思っています。いいご質問をいただいたと思いますので、あえて状況をご説明させていただきました。

【国総研】  もともと3つの研究所が合併してできたところなので、ちょっと人事はそれぞれで分かれていますので、建築のほうも若干説明させていただきます。

 建築はもともとの建設省建築研究所時代から企画とかそういう部分は別なんですけれども、研究者部門は研究所として採用して、卒業して出て行かれれば別なんですけれども、研究所にいるという形のもので、時々人事交流みたいな形の部分もあったんですけれども、そういう形できました。国総研ができたときに、かなり行政とのタイアップみたいな話があったものですから、必ずしも研究所の方だけでは難しいという面があって、出発点から比べて今はもう少し行政側の人間は研究者の中でも増えています。ただし、できるだけ研究者として来てもらっている部分の人間については、2年、3年のローテーションではなくて、理想的にはドクターを採ってくれというのはあるんですけれども、なかなかそれほど率は低いですけれども、できるだけ長い期間、研究者としていられるような形にしております。ただし、部長級になるとそうはいっていられないものですから、普通の人事ローテーションに近くなりますけれども、室長以下についてはできるだけそういう配慮をして動かしている。

 ただ、今でもまだ室長以下は、半数以上は研究者、プロパーではないかと思います。ちょっと今数字を持っていないんですけれども、建築のほうはそういう形です。

【国総研】  港湾と空港のほうは、ちょうど土木と建築の真ん中ぐらいの様子になっていまして、港湾と空港は昔から公務員採用試験で採用した職員の中から研究適性のある者を研究所に配置をずっとしてきたという伝統を持っていまして、それが独法に7年前に分かれて、当時は研究タイプの方もそれぞれのところに配置していますが、現状では、室長と主任研に採用されてから3分の2以上研究を経験した人が室長と主任研に残っています。部長以上、研究官クラスは3分の2を超えた研究経験者は今、ゼロになっていまして、ほとんど行政から来て研究所で研究に携わっているという状況になっていまして、港湾、空港でいきますと、研究については、室長と主任研がきちんと見ていて、行政との連携のところは、研究官と部長以上が対応していると、こんな役割分担に今のところなっています。

【委員長】  この件は最初の報告の段階で詰めができていないんですね。その現状がどうであるかということも、今、おっしゃったような結果的には一体今までの人事のこの動きは効率的によいことであったかどうか、あるいはどういう点が問題であったのかという整理を何度かお話がありましたよね。だけど、この整理が結局、今回もできていないんですね。ほかの点は大体できたと思ったんだけれども、この点はできないんですかね、難しいんですかね。いろいろと。それが今回1つ気になったところです。一度ちゃんと整理してくださいよと我がほうからはお願いしておきましょうかね。

【所長】  多分、わかりませんので、いいかげんなことを言うかもしれませんが、さっき人が足りない話も含め、どこの機関もみんな同じような話で、それはこういう体制でどういう仕事の仕方をするとか、どういうトレーニングをしたらいいという話と、今のこういう構成だから、これを何もこれがいいんだなんていう説明をする必要もないし、どこか悪いのであれば、人事も変えるということも言えばいいと思うんです。ただ、それを言ったからなるかどうかわからないし、それは変な意味ではなくて、いろいろなものでトータルの予算であるとか、人組みだとかの中でものは成り立っているので、それは当然のごとくどんな会社であろうが、どこであろうがそういう現実だろうと思いますので、それを単に理想論だけ言ってもどうしようもないので、大事なのは役割をこの機関が何をすべきかというところから始まるべきで、それにあわせてもう少し人もいろいろ工夫ができるのか、予算繰りのことがもっとできるのか、予算も先ほど本省との個別のだけだと言っていましたけれども、そう考えてしまっているところが最大の問題だというのを私はあいさつ回りで行って、何人かから言われているところであって、存在感のない組織は世の中から要らないと言われる話であって、どういう組織できちんと仕事ということを考えて、こういうやつを今、宿題をいただきましたので、もう少しこういう展開をしたほうがいいということかどうかを整理をさせていただこうかと思います。

【委員長】  そうですね。この点をお願いをします。ほかにございませんか、どうぞ。

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【委員】  それでは先に一言。簡単に。研究成果の発信というところで、発表いただいたもの、35ページあたりに書いてありまして、国の研究機関として多くの人が関心を持って見るということが大事だと思いますので、この辺を強めていただきたいなと思うんですが、2つの視点を申し上げたいのは、できるだけ地域社会とか地方自治体の方とか関心を持つNPOとかいろいろな人にわかりやすい情報を発信していただきたいという点と、あともう1つは、アジアなどが急激な工業化とか発展で非常に都市が大きくなるとか、大きな社会変革を起こしていたりとか、日本の持っている研究成果をアジア、アフリカとか外国にきちんと生かしていくということを考えれば、きっと研究者の交流とかいろいろ情報発信とかやっていらっしゃると思うんですが、かなり明確に位置づけてやっていただいてもいいんじゃないかなと思いました。

 最初にお話しした身近なほうへの発信に関してなんですが、例えば、このAnnual Report、すごくすてきな表紙でしっかりできているので、中に書いてあるのはどう考えても専門家が読むようにつくっているんじゃないかなという感じがするんですね。これは内容を読んでいるわけではなくて、ぱっと見の雰囲気ですので申しわけありません。例えば、研究者の方がもう少しにっこり笑って写真に写っていただくとか、そのくらいのことから変えていただくとすごく変わるような気もいたしまして、申しわけありません。とりあえず広くわかりやすく手に取って読んでもらえるようなすばらしいAnnual Reportになっていただくといいなという感じがいたします。よろしくお願いいたします。

【委員】  いいですか、1つ。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  さっきの人事構想というか、その話なんですが、気候変動とか、沿岸管理の研究者の交流とか国際的な交渉の中で聞いた言葉で、インスティテューショナル・メモリーという言葉があって、組織的記憶と言うんだと思うんですけれども、日本の担当者は二、三年おきにどんどんかわる。向こうの人は10年とか15年ずっと出てきていて、お話ししていると勝負にならないみたいなところが少しあるんですね。ですから、例えばこの研究方針の中で、コアはずっと1つのものについて追っていかなければいけないということだから、同じ分野の問題意識を長く持って研究に携わっている方が必要なんじゃないか。ですから、国総研の中に、今おっしゃっているようにどんどん人事交流するという面と、インシティテューショナル・メモリーを蓄積していくような側面と両方あるんじゃないかなと思います。

【委員長】  そうですね。ありがとうございました。ほかにどうぞ。

【委員】  よろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  国際貢献のことなんですけれども、あるいは国際的活動が33ページでプロジェクト数と派遣数だけが書いてあるんだけれども、一体、国総研はどんなスタンスで国際的な活動をしているのかがあまり明確にこれまでもされてこなかった。日本は国土管理という視点ではかなり先進国で、戦争もないし、結局、いろいろなインフラが蓄積されている中で、今後どんなふうに発展していくかというところを考えていく問題だけれども、海外では必ずしもそういう状況でなかったら、技術移転とかという形でもかなり異質なところがあるんだけれども、それをどんなふうに対応しようとしているのかということもないまま日米間協力がありますよとか、どこどこのプロジェクトに対して人を出していますよというのは、あまりにもフィロソフィーがないような気がするんですね。ここも少し国総研として、日本の国土の問題にしっかりやっていくスタンスと少し違うスタンスのところにどんなふうに献身的であるのかどうなのかよくわからないんだけれども、国際貢献としてどんなスタンスで臨むのかということが少し見えていない。ただ、数だけが並べられたというのが評価としては評価のしようがないなということが気になりました。

【委員長】  ほかにどうぞ。いいですか。私の感じでは、今回の説明不足というか、問題提起の点は2点だけあって、3点か。1つは先ほどの人事の件ですね。それと2番目は今おっしゃった国際貢献という形、あるいは情報発信との連動もありましたが、これをどういう方針なのかという説明がなかったのではないかと。それから、3番目は○○さんが一時期おっしゃったんですけれども、ここの1つの重要なテーマは、将来の国土がどうなるのかという予測をしてほしいと思っているんですが、この予測がこのデータの中では担当するコアも大枠もないのではないかと、こういうお話ですよね。

【委員】  だんだん話が大きくなってきますね。

【委員長】  というふうにコア、大枠の中にも国土全体の将来の予測、人口と経済活動の予測がどうなっているかという数字が、そういうことを担当する部署がないんではないかなと、こういうご指摘だったと思いますが、この3つが私の印象では。ありますか。

今回のポイントはこの3つだったと思うんですがね。難しいですよね、予測といってもね。政府公表数字となったら大変なことになるからね。

【委員】  逆にそのためにコアというのが存在しているわけじゃないですかね。国土にかかわるさまざまなデータを国総研、国の機関であって、全国に散らばっているものを全部総まとめにしておいてという話は、さまざまな大枠の中でものを考えたり、プロジェクトを考えたりする中での基本的情報をしっかり持つということは、翻せば、将来をどんなふうに予測するかとか、これまでの変遷をどうとらえるかということにつながるもので、それがほんとうにきちんとやれる研究部門とか、研究チームをつくっているかどうかが説明がなかったというところですね。

【国総研】  形の上ではあるんですよ。どこにアクセスすればそういうデータがすぐ手に入るかという仕組みをまだ始めて間がないんですが、やっています。ただ問題は、そういったことを長年やってきた人材が全くいない中で、一応、研究室の中の二、三人が、これはおまえたちの担当だということでそれをやっている状況です。歴史のある研究室を引き継いでいるところは、それなりのポテンシャルもできているんですが、やり始めていることについては、残念ながらここでお話しするような段階には至っておりません。当然、力を入れていかなければいけないし、実は、組織もいろいろ今考えているところでもあります。まだこれはいろいろお話しできるような段階ではありませんけれども。

【委員長】  私としては、この3つが今回ご指摘いただいたところで、対応をぜひともお願いしたいと思っているところだと思います。全般的に僕の印象としては、コアと大枠とプロジェクトというものの研究の分け方で、それをこのマネジメントにつながっていっているというのは、これはここの研究所の独創的なマネジメントシステムではないかと思うんですね。こういうことをうまくつくっていっているというのは、あんまり聞いたことがないですね。これはうまく機能しているように思いますね。これが1ついいところだろうと。

 それから、その結果としておそらくいろいろな成果が出てきますよということのご説明がありまして、よくわかりましたけれども、この外部評価を始めたころは、政策への貢献を説明してくださいと要望したら、そんなのはまだできませんとかという状況だったんですよね。それが明示的にこんなふうにできてきたということは、そういうコンセプトの作成と同時に、貢献というのは具体的に何なのかということがかなり明示化されてきたんだろうと思いますね。そういうことについては、すごくうまく進歩していまして、ここでとまることなく今後も脱皮のほどをお願いしたいと思っている次第ですけれども、あとは先ほど言いました3点は、ぜひともお考えいただきたいと、こんなふうに思っておりますが。

 それから、もう1つ最後ですが、こんなところでいいですか。この外部評価のやり方なんですけれども、大学で外部評価をやるときは、5年に1回の場合はたしか2日間やるんですね。事前に資料をいただいておいて読んでおいて、外部評価をやって、一個一個部門ごとに面接もやるんですね。あれは必要ならば、個人研究者に対しても、あなたは論文が少ないじゃないですかとこんなこともやるんですね。そういうやり方もないわけじゃないんですね、そこまでやらんでもいいですけれども、5年に1回の機関評価に関しては、もう少し時間をかけたほうがいいかもわかりませんね。毎年のは今のような仕組みだと思いますけれども、それも僕も今、思いついただけなんですけれども、ひとつお考えいただいたらいいんじゃないかと思った次第です。

 これで本日の会議は終わりたいと思いますが、ほかによろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。


4.国総研所長挨拶/閉会

【事務局】  ご審議ありがとうございました。それでは、最後に所長より一言お願いいたします。

【所長】  すいません、今、最後に言われましたこと、ここの機関評価そのものもきょうだけであれなのか、そんなに間をあけないところで何らかのご相談を申し上げたいとか、逆に先生方、お忙しいところ申しわけないんですけれども、せっかくそういうご指摘いただいたのをこの場で流してしまわないようにしっかりとしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。ご意見ありがとうございました。

【事務局】  事務局より最後に最終確認ということでお願いしたいと思います。実は委員長の進行の中でご説明がなかった部分でございますが、資料4が入ってございまして、こちらはご報告ベースでございます。個別の課題について毎年のことでございますが、分科会で個別の研究課題につきまして審議を予定いたしておりまして、来週予定いたしておりますので、こうした状況であることをご承知おきいただければと思っております。

 これは以上でございますが、本日のご議論につきましては、また各委員あてに議事録についてのご確認をお願いしたいと考えております。また、評価結果の取りまとめにつきましては、最終、委員長とご相談させていただきまして取りまとめをさせていただきたいということ、そして、最後に評価結果取りまとめにまいりましたら、刊行物及びホームページ等で公表してまいるということをご承知おきいただければと思います。

 以上でございます。本日はどうもありがとうございました。

 


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