研究成果概要


国総研研究報告 第 7 号

【資 料 名】 再生アスファルトコンクリートの空港舗装表層への適用性−室内試験による検討−

【概   要】 資源の有効利用や地球環境保全の観点から,建設副産物のリサイクルが促進されてきており,空港舗装 関連の建設事業に関しても積極的な取組みが図られているところである。空港舗装に関わる現行規定においては,表層以外の箇所であれば再生率(骨材中に占める再生骨材の割合)40%を上限として使用可能である とされている。ところが,今後の空港整備事業においては,施設の新設によりも維持,補強・補修といった工事が多くなると考えられることから,再生アスファルトコンクリートを表層へ適用しなければならない事態となること が予想される。また,既存のアスファルト舗装の解体により発生する再生骨材量の増大に対処するとともに,省資源方策の一層の進展を図るためにも,再生率を現行規定以上に高める方策についても検討しなければなら ない。本研究では,表層が自然環境の作用を受けること,また,車輪を介して航空機荷重を直接受けることを考慮に入れて,再生アスファルトコンクリートの空港舗装表層への適用性について室内試験により検討した。この 場合の再生率としては,現行規定である40%,空港舗装路盤に使用された実績のある70%,そして将来をみすえた100%の3種類とした。本研究により以下の点が明らかになった。(1)再生率40%の再生アスファルト コンクリートについては,自然環境に暴露することにより性状変化とグルービングの耐荷性能を中心に検討した。その結果,製造直後には新規材料と違いの見られた再生材料の特性は自然環境下に4,5年暴露することに より新規材料とほぼ同等になること,再生材料のグルービングの耐荷性は新規材料とほとんど変わらないことがわかった。(2)再生率70%の再生アスファルトコンクリートについては,促進老化作用を与えることによる性状 変化について調べた。その結果,曲げ強度,破断ひずみといった力学特性,骨材剥離抵抗性,回収したアスファルトの性状のいずれも老化に伴う変化は,再生率の高いものほど少ないことがわかった。(3)再生率100%に ついては,70%のものと同様に促進老化による性状変化を調べたところ,70%のものとほぼ同等であることがわかった。(4) (1)〜(3)より,再生アスファルトコンクリートは空港舗装表層への適用性はあると考えられるが, 供用中の空港における試験施工ならびに観測を経た上で最終的に判断する必要がある。

【担当研究室】 空港施設研究室

【執 筆 者】 八谷好高,坪川将丈,松崎和博,高橋修



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