研究成果概要


国総研研究報告 第 20 号

【資 料 名】 重力式防波堤の外的安定に関するレベル1信頼性設計法の提案

【概   要】 今後の標準設計手法として期待されているレベル1信頼性設計法 (部分係数法)においては,目標安全性水準の適切な設定が重要となる。その際の最も有力な方法の1つは,現行設計法が担保する平均安全性水準を統計的に定め,これを目標値 として部分係数を決定する,いわゆるコードキャリブレーションである。
本研究は,一般的なケーソン式混成堤,消波ブロック被覆堤に,近年実用化が目覚しい重力式特殊防波堤(上部斜面堤,直立消波ブロック堤,消波ケーソン堤)を加えた5形式の重力式防波堤を対象とし,その外的安定問題 (滑動,転倒,支持力)に関するコードキャリブレーションを実施するものである。まず,既往の実験事例を収集し,重力式特殊防波堤に用いられている波力算方式の推定精度を評価した。 さらに,一次信頼性理論(FORM)による信頼性解析を実施し,安全率に基づく現行設計法が担保する安全性水準を明らかにした。これにより,近年開発された重力式特殊防波堤の波力 算定精度には安全性の余裕度があまり見込まれておらず,その結果,現行設計法の平均安全水準も,一般的なケーソン式混成堤,消波ブロック被覆堤に比べてやや低いことを明らかに した。続いて,これら平均安全性水準を目標値とした部分係数のコードキャリブレーションを実施し,重力式防波堤の外的安定に関するレベル1信頼性設計法を構築するとともに,構築した 設計法の合理性を示した。

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 吉岡健,長尾毅



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