研究成果概要


国総研資料 第 38 号

【資 料 名】 利用者サイドから見た空港整備に係る政策評価指標に関する考察

【概   要】  これまでの空港整備においては,この数十年間に多数の空港を新設,拡張してきたが,いわゆる公共事業の成果が問われている現在,空港整備に関しても,過去の政策の功罪を評価し,今後の政策展開への指針とするための政策評価の実施が必要である。
 この政策評価に際しては,行政目的に対して,どのような手段を用いて,どのような成果を挙げてきたかを,国民一般に明示するためにも,できるだけ客観的な指標を用いて行うことが必要であり,この指標も,行政サイド(供給者ベース)のものでなく,国民サイド(利用者ベース)のものであることが必要である。政策評価は,この指標を評価基準として,事前の評価,成果の測定,総合評価という流れのなかでフィードバックしつつ行うべきものであり,その指標は,極めて重である。
 本稿では,「国内航空ネットワークの充実」をテーマとして,まず,航空に関する利用者の基本的なニーズすなわち,「どこへでも行ける」,「いつでも行ける」,「確実に行ける」など7項目を設定した。このニーズを的確に表現できる政策評価,例えば「直行便で結ばれるOD数」「日帰り可能路線数」「欠航率」など24項目を提案した。その指標に照らして現状のサービスレベルを数値化し,達成度を表現した。これらを提案及び資料としてまとめるものである。
 空港整備の評価については目指すべき水準の設定との比較を踏まえる必要があるが,現状の水準をとりまとめそれらを考察すると次のことが窺える。
 一定期間で空港を利用できる人口の割合からして基本的な航空ネットワークを支える空港の配置はほぼ概成し,路線数も増加して,航空ネットワークは相当程度充実した。しかし,大都市圏空港では自由な時間帯の便設定が困難な状況となっており,結果地方発のダイヤは必ずしも便利な時間帯に設定されておらず,頻度の少ない路線も数多い。これらの改善のためには大都市圏空港の要領拡大が望まれる。さらに離島や地方における小規模需要に対するきめ細かな対応,定時制や確実性の向上,などは引き続き充実させていく余地がある。

【担当研究室】 空港計画研究室

【執 筆 者】 長谷川浩,波多野匠



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中 扉 97KB
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