| 【資 料 名】 |
管理型廃棄物埋立護岸の浸透・移流分散解析による遮水性能の評価 |
| 【概 要】 |
管理型廃棄物処分場内の廃棄物と海水が混じり合った保有水の浸出が，処分場周辺の海域の水質汚染を招かないように，埋立護岸の遮水性能が長期にわたって確保されることが必要である。保有水が外海へと浸出する過程は，地下水の浸透のみではなく，移流と分散の現象であり，シミュレーションを行う場合には，このような現象を精確に再現できるモデルを用いなければならない。その際に，海面処分場については陸上のそれと異なり，潮汐の影響を考慮することが望まれるし，護岸の複合的な構造を忠実に表す必要がある。これを数値計算で再現するために，安定性や収束性の問題を解決し，効率的に計算するための方法がオイラリアン・ラグランジュアン有限要素法として知られている。具体的な解析コードに「Dtransu-2D・EL」がある。この研究では，埋立護岸の長期にわたる遮水性能の評価にこの解析コードを適用し，代表的な護岸の構造断面について外海水位に潮位変動を与えた場合と遮水工に損傷を生じた場合の保有水の浸出状況を明らかにした。得られた結論は，次のとおりである。@外海水位を一定とした場合には，計算時間間隔を２日とすれば，数値計算上の安定性が得られた。A外海水位の潮位変動として１２時間周期の正弦曲線を与えた場合には，計算時間間隔を１時間とすれば，数値計算上の安定性が得られた。B外海の水位に潮位変動を与えた場合には，これを一定とした場合に比較して，保有水の浸出が抑制されることが分かった。C重力式ケーソン護岸（２重シート）及び２重止水矢板護岸の構造について，外海の水位に潮位変動を与え，遮水工の損傷を考慮して保有水の浸出量（比濃度流量）を計算することができた。D捨石堤（透水係数１．０×１０-1cm/s）の背後に止水矢板が打ち込まれた埋立護岸断面について解析を試みたが，数値安定性が得られなかった。更に，移流による濃度の計算手法の改良などについて検討する必要がある。 |
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