【資 料 名】 |
公平性の観点からみた中国地方の高速道路ネットワークの計画策定の経緯と検証
−空間的応用一般均衡モデルを利用した帰着便益計測− |
【概 要】 | 現在の道路事業の評価については,事業後の交通市場において計測される発生ベースの便益(走行時間短縮便益,走行経費減少便益,交通事故減少便益)を測定し評価しているが,発生ベースの便益では誰にどれだけの便益が帰着するかが計測できず,公平性の問題を取り扱うことが原理的に不可能となっている.公平性の問題を考慮に入れて便益計測を行うためには,事業の波及効果をトレースして,それら効果が行き着いた後の便益を計測する帰着ベースの便益計測が有効となる.そこで,本研究では,中国地方における東西を連絡する3つの路線(中国道,山陽道,山陰道)を対象として,それらの高速道路計画策定及び整備の歴史的経緯を概観し,これら道路ネットワーク整備の発展が,地域間にどのような効果を与えてきたのかを道路整備の帰着先の便益に着目し,空間的応用一般均衡モデルにより分析した.その結果,効率的を優先した道路整備は,公平性の視点からは,地域間の便益に格差を生じさせ,地方においては相対的な疎外感が与えられる可能性があることが分かった.この結果を受け,公平性の観点の必要性を改めて提起したい. |
中 扉 |
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目 次 |
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本 文 |
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1.はじめに |
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2.中国地方の高速道路整備計画の歴史と変遷 |
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3.到達時間圏域による考察 |
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4.帰着便益分析による道路ネットワークの検証 |
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5.おわりに |
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