研究成果資料


国総研資料 第 756 号

【資 料 名】 空港の災害リスクの定量的評価手法に関する研究

【概   要】  本研究では,リスクの代表的な定量的評価方法であるイベントツリー分析(ETA:Event Tree Analysis)を用いて,地震動及び津波による空港のさまざまな被害形態について,発災から民間航空機の運航再開に至るまでの空港の運用に着目し,リスクを定量的に算出する方法の開発を行った.
 イベントツリー分析の実施に当っては,空港の災害リスクを特定し,東日本大震災などの既往の事例及び文献から,災害時の空港の復旧・運用の事態想定を行い,一の空港について,地震及び津波による被災から民間航空機の運航再開に至る過程について,対象施設を設定し,シーケンス(原因−結果図)を作成した.
 評価の試算を行う対象としての標本空港を設定したうえで,当該標本空港に作用するシナリオ地震など危険度(ハザード)を設定した.併せて,空港を構成し民間航空機の運航再開に至るまでに必要な施設について,地震・津波に対する施設強度(フラジリティ)を設定した.これら危険度と施設強度を先のイベントツリーに適用し,イベントツリー分析を行い,分析の結果得られる損失確率関数,損失期待値NEL(=Normal Expected Loss),予想最大損失PML(Probable Maximum Loss),復旧曲線等を使い,対策の可否など,意思決定者の判断に資するよう,リスクの評価を定量的・視覚的に行った.

【担当研究室】 空港新技術研究官

【執 筆 者】 中島 由貴,中神 啓介, 西崎 英治, 清水 啓



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