研究成果概要


国総研資料 第 855 号

【資 料 名】 港湾の長期検潮記録から地盤変動を除去した平均海面水位の推定とその変動特性

【概   要】  本資料では,全国10港湾を対象に,長期検潮記録から潮汐・気圧・地盤変動の影響を抽出・除去することにより,ノイズ成分を除去して平均海面水位を推定する方法を設定し,その長期的な変動特性を考察した.その結果,地盤変動を考慮してノイズ成分を除去したところ,水位の変動幅は数cm程度に減少した.平均海面水位の年間上昇量を推定した結果,日本海側海域の4港湾のうち,3港湾で平均海面水位に明瞭な上昇傾向がみられた.太平洋側海域の6港湾では,4港湾で上昇傾向であったが,上昇量は場所毎に異なっていた.また,地盤変動量の把握へのGNSS測量に向けて,既存の検潮所においてGNSS測量を用いた検潮所高さの測量を行い,検潮所高さの管理への適合性を確認した.最後に,本資料の検討結果にもとづき,長期海面変動を検討する際の検潮記録等の整理に関するいくつかの留意点をまとめた.

【担当研究室】 沿岸防災研究室

【執 筆 者】 内藤 了二,淺井 正,川口 浩二,猪股 勉,辰巳 大介,成田 圭介



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