研究成果概要


国総研資料 第 864 号

【資 料 名】 船舶の接岸速度の特性に関する基礎的分析

【概   要】  現行の「港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年7月)」(以下,「基準・同解説」という)において,船舶の接岸速度の特性値(設計接岸速度)は対象地での実測値または既往の計測結果に基づいて定めることが望ましいとされており,基準・同解説では過去の文献等の結果を参考データとして紹介している.
 しかしながら,基準・同解説の次期改訂に向けては,以下に示すような課題がある.1)掲載されているデータが20年以上更新されていない.2)近年,船舶の大型化が著しいが,大型船の接岸速度に関するデータの提示が不足している.3)国際航路協会(PIANC)WG145では,接岸速度の実測結果に基づき,設計接岸速度を船型の大きさに関わらず一定の信頼水準値(95%以上)として設定することが議論されているが,現行の基準・同解説においては,接岸速度の特性値が平均値であるか,最大値であるかなどについて示されていない.
 そこで本資料では,過去に実施された接岸速度の実測データおよび設計接岸速度の設定事例について可能な限り収集し,船種ごとに接岸速度と船型の関係図として整理した.また,実測の接岸速度と船型のデータを用いた統計処理により,接岸速度と船型の関係を船種別に整理するとともに,信頼水準別の接岸速度についても評価し,過去の実設計における設計接岸速度の設定値がどの程度の信頼水準に相当していたかを試行的に評価した.

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 村上 和康,竹信 正寛,宮田 正,米山 治男



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