研究成果概要


国総研資料 第 899 号

【資 料 名】 直杭式横桟橋の船舶接岸時のレベル1信頼性設計法に関する
諸考察(その1)

【概   要】  「港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年)」(以下,H19基準という)において,防波堤や係留施設の全体安全性の照査に対して,レベル1信頼性設計法(部分係数法)が導入された.著者らは,現行基準の次期改訂に向けて,直杭式横桟橋の鋼管杭の応力照査を対象とした部分係数の再構築を目指している.
 本資料では,部分係数の再構築に向けた最初の取り組みとして,以下の検討を行った.
1)桟橋の杭の応力照査に関する過去の港湾基準の設計法を,H19基準を含めて整理し,応力照査上の鋼管降伏応力度に対する安全性水準を基準別に比較して考察を行った.本検討内容は,目標安全性水準を決定する際の基礎資料となる.特に,従来の設計法で船舶接岸時の応力照査を行う場合,鋼材の許容応力度の設定方法によって,杭の有する安全性水準が大きく変化することを確認した.このため,安全性水準の評価に際しては,過去の設計の実態把握として,既往設計事例の収集整理が必要であることを課題に挙げた.
2)一般に,桟橋の応力照査には骨組み解析が用いられ,杭の発生部材力は陽関数として表現できない.そのため,部分係数の算定に必要となる信頼性解析では,杭部材力の評価方法が課題となる.この解決手段として,応答曲面法により杭部材力の近似関数式を作成し,その精度を確認した.なお,この近似関数式は,複数の断面条件に対して作成しており,その作成内容を付録として示した.

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 村上 和康,竹信 正寛,宮田 正史



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