研究成果概要


国総研資料 第 954 号

【資 料 名】 腹付工を有する防波堤の耐波設計法の提案

【概   要】  既設防波堤の補強や,防波堤に粘り強さを付加する目的で,堤体の港内側に石材を設置する腹付工が用いられている.腹付工に関する現在の設計法(以下,現行法)は,40年程前に暫定的に採用された方法であり,腹付工の耐力を過小評価するという課題や,腹付工の最小規定により非効率な腹付工の形状を要求してしまう懸念等がある.本研究ではこれらの課題に対し,既往の研究における新たな知見を活用し,波浪に対する腹付工に関する新たな設計法(以下,提案法)を構築した.
 提案法の主な特徴は,@腹付工の滑動抵抗力の算定に簡易ビショップ法を用いる,A転倒,支持力照査における腹付工の位置付けを明確にした,B腹付工の最小規定を見直した点にある.提案法は現行法に比べて,腹付工の滑動抵抗力を大きく算定するため,提案法を用いることで腹付工の耐力評価が改善され,より合理的な腹付工の設計が可能となる.また,現在取扱いが不明瞭な転倒照査および支持力照査に対して,統一的な設計が可能となる.さらに,腹付工の最小規定を見直すことにより,腹付工形状の選択の幅が広がり,自由度の高い腹付工の設計が可能となる.

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 佐藤健彦,宮田正史,高橋英紀,竹信正寛,下迫健一郎,鈴木高二朗



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