研究成果概要


国総研資料 第 996 号

【資 料 名】 既存係留施設の改良工法選定および改良設計に関する基本的な
考え方

【概   要】  近年,増深,耐震強化,老朽化対策といった既存係留施設の改良を行うための工法として様々な改良工法が開発・提案されている.しかし,同一条件下であっても設計断面を決定するための比較対象工法が大きく異なる場合があり,最適な改良工法が見逃されている可能性がある.この要因としては複雑な断面となる改良設計において,改良工法選定の考え方が一般化されていないことが挙げられる.さらに,設計法が確立していない改良工法は,時間の制約もあり,確認すべき技術的事項を明確化し,対応する技術的検討を行うことが難しい.その対策として,改良設計を円滑に進めるための検討手順や性能を評価するための確認項目など,共通認識としての改良設計の基本的な考え方の整理が求められている.
 本検討では,既存係留施設の改良設計において比較対象として検討された改良工法に関して,改良設計事例の中で不採用となった改良工法を含め,現時点における改良工法を幅広く収集してとりまと めた.また,安定性向上メカニズムにより分類し,改良工法選定の手掛かりとなる基本的な考え方を示した.その上で,各改良工法の設計上の課題を考察し,改良設計時における共通の課題を整理し一般化してまとめた.さらに,一般化した課題を基に,複雑な構造形式となることが多い改良設計を進める上で設計者が持つべき,共通認識としての改良設計の基本的な考え方について示した.

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 田端 優憲,宮田 正史,水谷 崇亮,松村 聡,鍵本 慎太郎,
高野 向後,岡元 渉



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