国総研資料 第 1085 号 |
【資 料 名】 | 繋離船作業の作業効率向上に配慮した大型係船曲柱の上部形状の小型化に関する基礎的検討 |
【概 要】 | 近年,我が国に寄港する船舶,特にクルーズ船の大型化に伴い,港湾工事共通仕様書に記載のない
大型係船曲柱(牽引力1500kN,2000kN)が各地の係留施設に設置されている.このような大型係船
曲柱は,その上部形状の寸法が大きすぎるため,船舶の係留索を係船曲柱に掛け外しする作業(繋離
船作業)において,繋離船作業に従事する作業員への負荷が大きく,作業効率の低下を招いていると
の意見がある. そこで,本検討では,大型係船曲柱の上部形状の小型化を図ることを目的として,港研資料No.102 に基づく大型係船曲柱の上部形状の設計思想と簡易設定手法の内容を整理するとともに,繋離船事業 者に対する大型係船曲柱の利用状況に関するアンケート・ヒアリング調査等を実施し,各地で設置さ れている大型係船曲柱の小型化の事例についても調査した. これらの調査結果を踏まえて,2000kN型の係船曲柱について船舶係留時の安全性(係留索が外れな いこと)を確保しつつ,繋離船作業の作業効率の向上が期待できる上部形状の小型化案を提案した. さらに,上部形状や材料規格を変更した 6 ケースの大型係船曲柱について試設計を行い,製造上の問 題点の有無について調査した. その結果,牽引力2000kNの係船曲柱の上部形状については,従来形状よりも小型化することがで き,繋離船作業の作業効率向上に配慮した形状に変更できることを確認した. |
【担当研究室】 | 港湾研究部 |
【執 筆 者】 | 中村俊之、中村健、宮田正史、米山治男 |
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