下水道革新的技術実証事業B-DASH

下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)
技術情報資料

 国土交通省では、新技術の研究開発及び実用化を加速することにより、下水道事業における低炭素・循環型社会の構築やライフサイクルコスト縮減、浸水対策、老朽化対策等を実現し、併せて、本邦企業による水ビジネスの海外展開を支援するため、下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)を実施しています。
 B-DASHプロジェクトでは、実証研究成果と専門的知識を有する有識者及び実務に精通した地方公共団体の担当者の意見を踏まえ、技術の普及促進を図るための技術導入ガイドラインを策定しています。

B-DASH技術情報資料(40.2MB)

 本資料は、新技術の導入検討を考えている方を対象として作成したものであり、これまでに発刊した技術導入ガイドラインのポイントをまとめた資料です。資料では、技術テーマごとに、適用施設規模、技術分野、適用範囲、導入効果及び導入時の留意点を掲載しています。

対象別にまとめた技術情報は以下から閲覧できます。

  • 中規模処理場(10,000~50,000㎥/日以上)向け技術
  • 小規模処理場(10,000㎥/日以下)向け技術
  •  管路管理技術・浸水対策技術・その他 

全技術一覧

【技術分野】
技術分野:下水汚泥処理・利用
テーマ 実証技術名(採択年度)
固液分離・
ガス回収・
ガス発電
【超高効率固液分離技術を用いたエネルギーマネジメントシステム(H23)】
下水処理場全体の創エネ化・省エネ化を推進するシステム
・超高効率固液分離技術にて、流入下水から効率的に生汚泥を回収。余剰汚泥発生量を削減!
・高効率高温消化技術にて、滞留時間が短く、コンパクトな鋼板製の消化槽を実現!
・スマート発電システム技術にて、災害に強く、発電効率の高いバイオガスと都市ガスのハイブリッド発電を実現!
ガス回収・
ガス精製
【バイオガスを活用した効果的な再生可能エネルギーシステム(H23)】
地域バイオマスと汚泥の混合消化によるバイオガス発生量の増加!
消化・精製のパッケージ化による建設・維持管理コストの縮減と温室効果ガス排出量の大幅な削減!
固形燃料化 【温室効果ガスを抑制した水熱処理と担体式高温消化による固形燃料化技術(H24)】
「連続水熱処理」と「高温消化」を組み合わせたことにより、脱水汚泥の問題点を改善。省エネ省コストでバイオガスや固形燃料などの再資源化を実現。自ら創出したバイオガスを燃料とするエネルギー自給型プラントであるため、CO2排出量の抑制を可能とした。
固形燃料化 【廃熱利用型 低コスト下水汚泥固形燃料化技術(H24)】
低温廃熱(白煙防止用熱風等)を熱源として有効利用!
脱水ケーキが保有する熱量の90%以上を燃料化物に移行可能!
成形後乾燥する方式の採用により、粉塵が少なくハンドリング性の良い汚泥固形燃料を生成!
リン回収 【栄養塩除去と資源再生(リン)革新的技術実証研究(H24)】
下水処理施設のリンに対する課題を解決し、循環型社会に貢献できます!
下水処理施設をリン資源回収拠点にできます!
バイオマス発電 【脱水・燃焼・発電を全体最適化した革新的下水汚泥エネルギー転換システム(H25)】
汚泥処理における脱水・燃焼・発電の各工程をそれぞれ高機能化・高効率化!
ライフサイクルコスト、エネルギー消費量、温室効果ガス排出量等を低減するとともに、各設備を連携して運転することでシステム全体で導入効果を最大化!
バイオマス発電 【下水道バイオマスからの電力創造システム(H25)】
低含水率化技術、エネルギー回収技術、エネルギー変換技術の三つの新技術の組み合わせにより、広範な施設規模での下水道バイオマスからのエネルギー回収が可能に
水素創出 【水素リーダー都市プロジェクト~下水バイオガス原料による水素創エネ技術の実証~(H26)】
未利用の消化ガスを有効利用し、新たなエネルギー(水素)を創出
・下水バイオガス原料の“グリーン水素”はCO2を増やさない環境にやさしいエネルギー!
・ エネルギー需要地の都市部で安定的に生じる下水を有効利用することでエネルギーの地産地消に貢献!
CO2分離・
回収・活用
【バイオガス中のCO2分離・回収と微細藻類培養への利用技術(H27)】
下水バイオガスからCH4だけでなく、CO2も高濃度で分離・回収
これまで利用されていなかった下水バイオガス中のCO2や脱水分離液中の窒素、りんといった「未利用資源」に着目し、微細藻類培養に活用
下水汚泥の
有効利用
【脱水乾燥システムによる下水汚泥の肥料化、燃料化技術(H28)】
熱風温度の調整だけで乾燥汚泥含水率を10~50%に調整可能!
最終汚泥処分量を減量するだけでなく、肥料や燃料として有効利用へ!
下水汚泥の
有効利用
【自己熱再生型ヒートポンプ式高効率下水汚泥乾燥技術(H28)】
自己熱再生型のヒートポンプ技術を利用する乾燥方式によって、高効率、省エネルギー、低コストに乾燥汚泥を生産!
中小規模処理場における汚泥の処分費縮減と肥料化・燃料化有効利用の用途拡大!
地産地消
バイオマス
【高効率消化システムによる地産地消エネルギー活用技術(H29)】
無動力撹拌式消化槽による撹拌動力削減!
高効率消化によるバイオガス発生量の増加と排出汚泥量の大幅な削減!
温暖化対策汚泥焼却 【温室効果ガス削減を考慮した発電型汚泥焼却技術実証研究(H29)】
小型高効率タービンと水冷式復水器を組み合わせた高効率発電技術で電力消費量を削減!
局所撹拌空気吹込み技術で安定したN2O、NOxの同時削減による温室効果ガス排出量削減!
中規模消化 【高濃度消化・省エネ型バイオガス精製による効率的エネルギー利活用技術(H30)】
投入汚泥の高濃度化により、消化槽のコンパクト化が可能!
大規模処理場に加え、中規模処理場においても、バイオガスの多面的な利用が可能!
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技術分野:水処理
テーマ 実証技術名(採択年度)
窒素除去 【固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術(H24)】
アナモックスプロセスを用いた、低コストで省エネルギーの窒素除去技術!
汚泥処理返流水(嫌気性消化汚泥脱水ろ液)の個別処理に適用!
省エネ型水処理 【無曝気循環式水処理技術(H26)】
標準活性汚泥法代替の省エネ型革新的水処理技術!
曝気を行わない処理方式により、水処理消費電力量を大幅に削減!
既設(標準法)の改造利用が可能。新設時は土木施設が縮小!
省エネ型水処理 【高効率固液分離技術と二点DO制御技術を用いた省エネ型水処理技術(H26)】
処理時間が短縮できる効率的な高度処理!
省エネ型の高度処理でランニングコストを削減!
標準活性汚泥法の既存躯体を活用し、増設せず既存の処理能力を維持した高度処理が可能!
ICTを活用した
運転制御
【ICTを活用した効率的な硝化運転制御技術(H26)】
ICTを活用して、下水処理における硝化を適切に制御することで、処理水の水質維持、省エネルギー化、維持管理業務の効率化を実現します。
ICTを活用した
運転制御
【ICTを活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術(H26)】
水処理施設における消費エネルギーの削減を達成しながら、要求水質に応じた水処理機能の確保および維持管理性の向上を図ります!
設備劣化診断 【センサー連続監視とクラウドサーバ集約による劣化診断技術(H27)】
ICTを活用したモニタリングにより、設備の劣化状況を診断するシステム
状態監視保全によるメンテナンス周期の適正化、設備の信頼性向上による施設のライフサイクルコスト低減!
設備劣化診断 【センシング技術とビッグデータ分析技術を用いた下水道施設の劣化診断技術(H27)】
回転機器の軸受部に振動センサを取り付け、基準値をもとに振動状態を常時監視可能!
処理場の動きをモデル化し、現在の動きと比較することでサイレント障害を早期発見可能!
過去の機器性能を機械学習することで、将来訪れる機器の性能低下を予測可能!
ダウンサイジング水処理 【DHSシステムを用いた水量変動追従型水処理技術実証研究(H28)】
ユニットタイプで構成できるため、流入水量に応じた処理規模の最適化が容易!
反応タンクのブロワ動力が不要なため、省エネルギーで標準法並みの処理水質を年間を通じて確保!
ダウンサイジング水処理 【特殊繊維担体を用いた余剰汚泥削減型水処理技術(H28)】
既設OD法を改築することで余剰汚泥発生量を大幅に削減!
汚泥処理施設・設備を縮小し、ライフサイクルコスト(LCC)を削減!
省エネ低コスト水処理 【最終沈殿池の処理能力向上技術(H29)】
既存の最終沈殿池を活用し、「処理能力の増強」もしくは「処理水質の向上」を図ることが可能。
最終沈殿池の増設、もしくは急速ろ過施設の新設と比較し、建設費を大幅に削減!
ICT活用施設管理 【クラウドを活用し維持管理を起点とした継続的なストックマネジメント実現システム(H30)】
維持管理業務の一環で得られる情報を活用し、効率的かつ継続的なストックマネジメントを実現!
 ICT活用高度処理  【単槽型硝化脱窒プロセスのICT・AI制御による高度処理技術(R1)】
   
ICT活用の空気量制御による短HRTの実現!
ICT活用による設備連携、圧力最適化による送風電力削減の実現!
AI(機械学習機能)による季節変動等への対応、運転調整負担軽減の実現!
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技術分野:管路管理技術
テーマ 実証技術名(採択年度)
管渠
マネジメント
【高度な画像認識技術を活用した効率的な管路マネジメントシステム(H25)】
無停止での全周画像撮影により、現場調査時間を短縮!
機械学習を用いた画像認識システムを活用した管路欠陥の自動検出により、ユーザの欠陥確認作業の労力軽減!
管渠
マネジメント
【管口カメラ点検と展開広角カメラ調査及びプロファイリング技術を用いた管渠マネジメントシステム(H25)】
管口カメラで大きな異常を発見(スクリーニング)した後、異常箇所について展開広角カメラにより詳細な調査診断を行うことにより、日進量を向上させるとともに、調査コストを削減!
必要に応じて、管勾配を計測する傾斜計測や耐荷力を把握するための管路形状プロファイリングによる調査を追加で実施することにより、調査精度の向上や効率的な改築・修繕工法の選定が可能!
管渠
マネジメント
【展開広角カメラ調査と衝撃弾性波検査法による管渠マネジメントシステム(H25)】
無停止走行で管内画像の取得が可能な展開広角カメラによるスクリーニング調査技術により、短期間で広範囲の調査が実施可能。日進量を向上させるとともに、調査コストを削減!
必要に応じて、非破壊かつ非開削で管体の耐荷力を定量的に計測可能な衝撃弾性波検査法による追加調査を実施することにより、効率的な長寿命化計画(改築計画)の策定が可能に!
劣化点検・調査 【下水圧送管路における硫酸腐食箇所の効率的な調査技術(H28)】
腐食の危険性が高い箇所を優先的かつ確実に調査し、事故リスクの低減および維持管理の効率化に貢献!
ICT活用型管路マネジメント 【ICTを活用した総合的な段階型管路診断システム(H30)】
・劣化予測システムによる点検・調査箇所の効率的な絞り込みから、点検直視型カメラによる詳細調査を必要とする箇所の特定まで、一連の流れを段階型システムとして解決します!
・点検・調査結果の情報蓄積をタブレット端末を利用して直接入力することにより、効率的にデータの蓄積の実現が可能になります!
 AI 解析
管内異常検知
 【AIによる音響データを用いた雨天時浸入水検知技術(R1)】
   
 晴天時と雨天時における下水道管内の音響変化に着目し,市販のボイスレコーダによる音響調査とAI
を用いた解析手法を組み合わせ、安価で効率的に雨天時浸入水の有無を検知!
 AI 解析
管内異常検知
 【水位計と光ファイバー温度分布計測システムにAIを組合せた雨天時浸入水調査技術(R1)】
 
  
 ・低コストで測定可能な水位計により、対策優先ブロックを絞り込みます!
・ラインスクリーニング※により雨天時浸入水を検出し、詳細調査が必要な範囲を絞り込みます!
・AIを活用し、効率的な解析作業を実現します!
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技術分野:浸水対策技術
テーマ 実証技術名(採択年度)
ICTを活用した
浸水対策
【ICTを活用した浸水対策施設運用支援システム(H26)】
リアルタイムに豪雨や排水区域内施設の水位状況等を把握し、高速シミュレーションにより浸水発生を予測
既設施設能力を最大限に生かした運転により浸水被害を削減
都市浸水対策 【都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術(H27)】
雨水貯留管など浸水対策施設の効果的、効率的な運転支援や住民への自助・共助活動を促進することで、浸水被害を軽減!
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その他
テーマ 実証技術名(採択年度)
下水熱利用 【管路内設置型熱回収技術を用いた下水熱利用に関する実証研究(H24)】
下水道管渠へ管更生と熱交換器の同時施工により改築と熱回収システムを構築!
未利用エネルギーを冷暖房や給湯に利用し、コスト縮減、省エネルギーを実現!
再生水利用 【UFろ過膜と紫外線消毒を用いた高度再生水システム(H27)】
下水処理水は天候に左右されない非常に安定した水源です。
本システムにより、ウイルスによる病原リスクが極めて少ない再生水の供給が可能です。
安全で安心な再生水により高収益作物の栽培を可能とすることで、地元経済の発展に寄与します。
バイオガス
集約・活用
【メタン精製装置と吸蔵容器を用いた集約の実用化に関する技術実証研究(H27)】
複数の処理場の余剰消化ガスを集約することで効率的に発電。発電機は1処理場のみの設置なので、建設コスト、設置スペースが縮小でき、運転員、メンテナンス費用の負担は1処理場のみ。よって、低コストで効率的な発電が可能!これにより、余剰消化ガスを有効利用することができる!
 下水熱車道融雪 【ヒートポンプレスで低LCCと高COPを実現する下水熱融雪システム(H30)】
   
 融雪の放熱部や下水熱の採熱部に高熱性能の材料を用いることで下水熱の効率的な利用が可能となり、さらに採熱設備の設置方法や熱源水の循環方法の工夫を重ねることで、従来技術のボイラ方式や電熱方式では達成困難であった低いLCCと高いCOPを達成!
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