国土交通省 国土技術政策総合研究所

Q&A

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1.建設予定地の自然災害リスク

Q

海に近い所に住んでいて、地震と津波が凄く心配です。
どの程度の地震が発生して、どのような津波が来るのか想定されているのでしょうか?

A

地域により、想定される地震と津波の状況が異なるので、お住いの地域を下記からお選びいただくと想定される概要がわかります。

【 南海トラフ巨大地震 】

【 地震 】福島県から鹿児島県までの都府県
地震調査研究推進本部地震調査委員会によると、南海トラフ地震は、30年以内(2020年1月24日時点)にマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率は70~80%と想定されています。南海トラフ巨大地震が発生した際、お住いの地域で想定されている最大震度は、こちらよりお調べ下さい。

【 津波 】茨城県から沖縄県までの都府県
上記の委員会により、想定されるケース別に都府県および市町村別に対応した津波到達時間と津波高の関係が一覧表として示されています。

都府県及び市町村別津波到達時間と津波高さ

例:静岡市清水区で5mの津波が最短4分で到達(全ケースの最短時間)

参考動画:内閣府
南海トラフ巨大地震対策について
(注)震度推計に用いた5ケースの最大震度の重ね合わせ
(一つの地震でこのような震度分布が生じるものではない)
資料)内閣府「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)」

【 首都直下地震 】

【 地震 】 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡までの都府県
上記の委員会において、首都直下地震は、東京だけではなく、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県の何れかを震源とする各種の地震が想定されておりして、マグニチュード7程度の大規模な直下型の地震が今後30年以内(2020年1月24日時点)に70%の確率で発生するといわれています。 首都直下地震が発生した際、お住いの地域で想定されている最大震度は、こちらよりお調べ下さい。
市町村毎の最大震度

【 津波 】 福島、茨城、千葉、東京(区部、島嶼部)、神奈川、静岡までの都府県
上記の委員会により、想定されるケース別に都府県および市町村別に対応した津波到達時間と津波高の関係が一覧表として示されています。
都府県及び市町村別津波到達時間と津波高さ

例:静岡市清水区で5mの津波が最短4分で到達(全ケースの最短時間)
参考動画:内閣府

【 その他の地域の地震活動 】

こちらの資料により地震のリスクが低いとされる地域であっても、想定外の巨大地震が発生した事例が発生しています。巨大地震時において住宅の地震被害を少なくし、住み続けられるようにするためには、耐震等級3の取得が推奨されます。

Q

ハザードマップの区分レベルは、他の利便性等と比較してどの程度優先すべきですか?

A

建設予定の候補地は、駅、勤務先、学校、ショッピングセンター等からの距離、交通の利便性、気候、風土、周辺環境、治安など、数多くの要因から総合的に選ぶ必要があります。
その中でハザードマップは、建設地の災害のリスクを示すものであり、災害の状況によっては生命・財産に影響を及ぼすこともあります。
例えば、津波が地震の数分後に襲来する地域に高齢者や避難が困難な居住者がいる場合、避難に要する時間が足りなくなり極めて危険性が高くなります。また、土砂災害等が発生した場合は、その建設地に住み続けることが困難になったり、洪水により住まいが水没したりすることも考えられます。
従って、ハザードマップにより、極めて危険性が高いと考えられる地域は、建設予定地から避けることを強く推奨します。
因みに地震と地域性に関しては、地震活動について、まだ充分に解明されていない部分がありますので、何れの地域においても高い耐震性を保有した住宅の建設が重要と思われます。
また、ハザードマップは、建設地の選定に役立たせるだけではなく、地域固有の災害の可能性を把握し、その危険性に対応した住宅の性能を確保したり、避難をする際の計画に役立たせたりすることも出来ます。
まず、ハザードマップを活用して安全性を確保した後、利便性など他の要素も含めて総合的に考慮することが推奨されます。

Q

ハザードマップの区分によって、土地や住宅に掛かる費用はどのくらい変わってきますか?

A

候補としている土地の災害の危険性はハザードマップで確認し、対応する土地の不動産取引価格は、「土地総合情報システム」、「全国地価マップ」、民間の不動産情報などにより調べて下さい。
各種の災害への対策方法は数多くあり、対策するための建設費の増加額は、各々の住宅事業者により異なりますので、候補となる住宅事業者へお問い合わせ下さい。
なお、津波、洪水、土砂災害など、戸建て住宅への対策だけでは、生命・財産の確保が困難な場合もありますので、ご注意下さい。
南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの大規模な災害により住宅に被害があった場合は、膨大な量の工事が集中し、改修に至るまでの期間が極めて長くなったり、避難所の生活に支障をきたしたり、改修費も高騰することも考えられます。
従って、災害時においても最低限の居住が可能となるよう、安全性を確保した住宅の設計が必要と思われます。

2.住宅を選定する時に候補となる住宅の基本性能

Q

住宅性能表示制度を利用しようと思いますが、どのようなことを確認したら良いですか?

A

新築住宅では、10の分野に区分された33の性能表示の項目が定められています。
このうち、4分野10項目は必須項目であり、その他の項目は、登録住宅性能評価機関への評価申請の際に 評価を受けるかどうかを自由に選択することができます。

新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド国土交通省住宅局住宅生産課、(一社)住宅性能評価・表示協会

一方、候補となる住宅会社によっては、住まい手が要求する性能の等級に対応出来ないこともあります。
従って、住まい手は契約前に要求する等級に対して造り手が対応出来るか確認することが重要となります。

Q

寒くない玄関やお風呂の住まいを希望しますが、何か良い方法はありますか?

A

玄関の寒さ対策は、玄関ドアの断熱性が重要となります。
玄関ドアの断熱性は、ドア全体の熱貫流率となるUd値が低いドアを選ぶと断熱性が高くなります。

浴室は、ヒートショックを未然に防ぐため、ユニットの床の熱貫流率だけではなく、基礎まわりが充分に断熱および気密化されていることが重要になります。
また、窓を無くしたり、小さくしたりすることも有効となります。

床断熱エリア
Q

住宅性能表示制度の等級によって、どれくらい費用が変わってきますか?

A

基本的に性能表示と建設費の関係は、各々の住宅により異なりますので、候補となる住宅事業者にお尋ね下さい。
例えば、住宅の種類によっては、高い等級を標準仕様としている場合もありますが、一方、高い等級に対応していない場合もあります。首都直下地震、南海トラフ巨大地震など大規模な地震が発生した場合、耐震等級1では相対的に被害が大きく耐震等級3では被害が小さくなることも考えられます。
巨大地震後、等級1では改修費用が増大するだけではなく、避難所へ避難する必要性が生じ、改修まで長期間にわたり待つ可能性があります。
断熱等性能等級が高い場合は、初期費用が増大しますが、居住後の光熱費を抑え、快適で健康的な居住環境になり得ます。

Q

今の住宅の等級を確認する方法はありますか?

A

住宅性能表示制度は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、2000年10月に本格的に運用開始された制度です。
従って、それ以前の住宅は、本制度が適用されていません。
2000年10月以降の住宅は、性能表示制度の適用の有無および各種の等級は、建設された会社へお尋ね下さい。

3.住宅外皮のデザインによる各種の影響要因

Q

住宅の形状と耐震性および耐久性は関係があるのでしょうか?

A

耐震性を確保するには、耐力壁を充分に確保するだけではなく、地震時にねじれが発生しないように建物の形状や耐力壁の配置を適切に分配する必要があります。また、外壁を複雑な形状にすると、納まりが複雑化して雨水浸入のリスクが高くなり、耐久性を確保することが困難になり得ます。
しかし、屋根の先端が外壁からほとんど出ていない通称「軒ゼロ」住宅は、外壁に雨が掛かりやすく、かつ、屋根と外壁の取合い部から雨水浸入しやすい納まりとなり、雨水浸入事故の割合が高くなっていますので、綿密に防水設計・施工がされていない限り、軒の出を充分に確保することを推奨します。

Q

軒の出の推奨の長さは何cm程度でしょうか?

A

軒の出の役割には、外壁への雨掛かりを少なくして雨漏りのリスクを低減することと、夏の日射から日射熱を避けることの二つがあります。まず、雨掛かりを少なくするには、軒の出が深ければ深い程、外壁への雨掛かりが少なくなります。
雨掛かりの程度は、軒の出の深さ、建設地の降雨量、風向、壁面の方位、風速、隣棟間隔などにより複雑な関係で変化します。参考として、軒の出の深さ(cm)、軒下からの距離(cm)、壁面累積雨量(mm/年)の関係を示した下図をご覧下さい。

風速・軒の出を考慮した壁面における高さ別雨量

なお、建設予定地の風雨環境については、国総研資料第975号第5章木造住宅外皮の雨水浸入リスク評価方法にある「住宅敷地の風雨環境データベース」をご覧の上、建設予定地が強風雨の発生しやすい地域の場合、外壁の雨掛かりを少なくするため小屋組の接合部の強度を高めた上で軒を深くすることも検討して下さい。
積雪地域において大きく軒の出を深くする場合は、雪の重さで軒先が下がって変形しないように構造材となる「垂木(たるき)」の寸法を増大させる必要があります。

夏の日射熱の入り方は、日射熱が入りやすい窓の上方にある軒、けらば、バルコニー等の水平遮蔽物の突き出し長さと床面からの垂直距離、建設地域、方位等が関係します。
例えば下表に示すように、夏の8月1日と冬の2月1日(太陽高度が最も高い時刻)、床面から水平遮蔽物までの高さを2.4mとした場合、東京において日射を避けたい8月1日には床面での日射の水平距離は760mmとなり、日射を全て避けるには目安として760mmの遮蔽物の突き出し長さが必要になります。

各地域の日射の目安

一方、日射を採り入れたい2月1日は、太陽高度が低くなるため日射の水平距離は3,171mmとなり、軒の出を深くしても十分に日射を取り入れることが出来ます。
このように建設地域や周辺環境により必要となる軒の出やけらばの出の深さは異なりますが、図1の壁面累積雨量および表1の水平長さからおおよそ60cm以上が望ましいと思われます。
なお、総二階建てであり南側にバルコニーや庇等が無い場合は、軒の出やけらばの出をさらに深くすることを推奨します。

4.外皮内の仕様による耐久性への影響

Q

木造住宅の耐久性を確保するには、通気層の納まりが重要であることは判りましたが
私たちが確認するのは難しそうです。どうしたら良いですか?

A

建設される住宅会社や設計事務所、下記の「住宅瑕疵担保責任保険法人」または「指定確認検査機関」など、木造住宅の納まりについて精通されている検査機関にご相談下さい。

住宅瑕疵担保責任保険法人
指定確認検査機関
Q

木通気構法を採用したい場合、どのように注文すればよいのでしょうか?

A

現在、乾式サイディング(窯業系、金属系など)は、通気構法が標準構法になっています。
一方、湿式のラスモルタル外壁は、現在も通気構法だけではなく、通気層の無い直張り構法も採用されています。従って、モルタル外壁を採用する場合は、通気層の厚さが確保された通気構法となるように住宅事業者へ依頼することを推奨します。

Q

透湿防水シートの耐用年数はどれくらいでしょうか?

A

透湿防水シートは、通気層の室内側に張り付けている極めて重要な防水機能を担っていますが、数年で著しく劣化している事例があります。

劣化した透湿防水シート

瑕疵担保履行法の 設計施工基準第9条(外壁の防水)においては
「JIS A 6111(透湿防水シート)に適合する外壁用透湿防水シート又はこれと同等以上の透湿性能及び防水性能を有するものとし、通気層の躯体側に施すものとする。」と規定されています。JISマーク表示認証品は、JIS A 6111の「耐久性試験」も合格する必要があります。

しかし、流通している製品のほとんどはJISマーク表示認証品ではなく、「商品名」だけのものや、「JIS同等品」、「JIS A 6111」等が印刷されている製造会社独自のものとなります。JISマークが無い場合は、同等以上の性能が確保されているか確認する必要があります。透湿防水シートは、その製品により著しく異なるため、JISマーク表示認証品を選択するか、それ以外の製品は、定期的な試験結果により同等以上の品質であることを確認されたものとする必要があります。
なお、JISマーク表示認証品は、 日本産業標準調査会のWebサイトで「認証取得者検索」をした後、JIS番号(透湿防水シートの場合:A6111)を入力し、「認証番号」を選択することにより認証取得者を確認することが出来ます。
JISマーク表示認証の製品名は該当する会社へお尋ね下さい。

日本産業標準調査会のWebサイト

5.適切な室内環境と健康への影響

Q

新しい住宅の暖房方法は、何がいいですか?

A

暖房方法は、居住者の生活スタイルや好みなども考慮する必要があります。
総合的に判断するには、居住地の気候、暖房機器の熱効率、省エネ性、暖房範囲、即暖性、初期費用、メンテナンス性、空気汚染、給油の手間、安全性、乾燥度、室内の温度分布、気流、輻射熱などの各項目を検討する必要があります。

熱効率としては、エアコンが優秀ですが、エアコンは床暖房と比較して室内の温度分布が均一になりにくく、風が頭部に当ると不快となり得ますので、エアコンの設置位置を充分に検討する必要があります。

なお、寒冷地対応のエアコンも供給されています。ファンヒーター(FF式を除く)は、燃焼したガスが汚染しているため、換気を充分に行う必要があります。
冬の室内温度が全国で最も高い北海道は、こたつが最も少なく、セントラルヒーティングが普及しています。この暖房方法は、一般的に24時間稼働させて風を発生させず住宅全体をほぼ同じ温度にすることも可能となります。

一方、設備費が高く、基本的には一度稼働させたらシーズンオフになるまで24時間稼働させ続けるため、その分燃料費が高くなります。
床暖房は、電気式と温水循環式があり、風が発生せず床面を暖めるため、エアコンと比較して温度のバラツキが少なく快適ですが、初期費用が相対的に高くなります。
なお、日本の冬期は室内も乾燥しやすいので、風邪等の予防のため、暖房装置と加湿器または加湿型空気清浄機の併用をお勧めします。

参考資料:ガス温水床暖房のススメ(一財)ベターリビング

Q

断熱等性能等級の等級が高くなるとどのくらい初期費用が上がりますか?
また、光熱費はどのくらい変わってきますか?

A

断熱性や気密性などを確保する方法は、各住宅事業者により異なっており、そのため初期費用も、その後の光熱費も異なりますので、候補となる住宅事業者へお尋ね下さい。
なお、断熱性と光熱費との関係について、おおよその目安は(一社)住宅生産団体連合会の「なるほど省エネ住宅」により地域別(札幌、東京)と断熱別(省エネ基準、ZEH基準相当等)で年間の光熱費が比較されています。
なお、著しく断熱性が低い場合は、省エネルギー性や快適性が低下するだけではなく「熱中症」や「ヒートショック」などの健康上のリスクが高くなります。

6.開口部が及ぼす影響要因

Q

窓の役割、種類、性能、選び方などを教えて下さい

A

窓には「採光」「換気・通風」「眺望」等といった役割があります。木造住宅用のサッシには、各種の材質(アルミサッシ、アルミ・樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシ)があり、開閉形式(引き違い、FIX、片開き、内倒し、外倒し、横すべり出し、縦すべり出し、ルーバー、オーニング、上げ下げ、トップライト、出窓、折り戸)も数多く存在します。
サッシの性能は、一般社団法人 日本サッシ協会にて10項目(① 耐風圧性、② 水密性、③ 気密性、④ 防火性、⑤ バリアフリー、⑥ 防犯性、⑦ 断熱性、⑧ 遮音性、⑨ 防露性、⑩ 遮熱性)に分けて設定しています。

窓の性能とJIS基準について

窓の断熱性は、外壁と比較して、特殊なものを除き、高断熱の窓であっても著しく低くなります。

各種建築材料・部材の熱抵抗

一方、冬期において日中に日射を取り込むことにより、室内が暖かくなりますが、夜間、日射の少ない雨、雪、曇りの日や、北面からは日射による恩恵が受けにくくなります。
また、隣戸間隔が狭い都市部等では、日射が入りにくくなります。
夏は日射が入り込むことで室内の温度が高くなりますが、バルコニー、軒及びけらばの出、庇、日よけ等で日射量を少なくすることが可能です。

従って、建設地の気象環境、住宅の向き、隣棟間隔、採光、換気・通風、眺望、断熱性、日射取得などにより総合的に判断し、サッシの種類、窓の配置、方位別の窓の大きさなどを検討することを推奨します。

Q

「アルミサッシ」「アルミ・樹脂複合サッシ」「樹脂サッシ」はどのように見分けられますか?

A

新築の場合、上記の3つのサッシの種類は明確に分けられており、採用予定のサッシの種類は、候補となる住宅事業者へ問い合わせることが出来ます。

既存住宅の場合は、建設会社へ問い合わせるか、または、外観から判断することが可能です。フレームが太く角の繋ぎ目が斜めの場合は樹脂サッシ、角の繋ぎ目が縦の場合はアルミサッシまたはアルミ・樹脂複合サッシとなります。

樹脂サッシ
Q

「樹脂サッシ」は、どのくらい普及していますか?

A

樹脂サッシ工業会資料によると、欧州および北米の先進国の住宅による「樹脂サッシ」の普及率は60%以上となっています。

令和4年住宅建材使用状況調査

出典 日本:令和4年住宅建材使用状況調査、日本サッシ協会(2023)/アメリカ:Home Innovation Research Labs(2013)/イギリス、フランス、ドイツ:Interconnection Consulting(2016)/韓国:日本板硝子(株)調査データ(2011)

塩ビ工業・環境協会、引用(一社)日本サッシ協会によると、我が国の「樹脂サッシ」の普及率(全国平均)は22.3%、「アルミ・樹脂複合サッシ」は67.5%となっています。一方、寒冷地となる北海道による「樹脂サッシ」の普及率は99.0%に至っています。

平成30年住宅建材使用状況調査
出典:一般社団法人日本サッシ協会 2021年版

7.各種の公的制度の利用

Q

紛争当事者が指定住宅紛争処理機関への紛争処理を依頼する場合
申請料が1万円 / 件とのことですが、対象となるトラブルにはどのようなものがありますか?

A

国土交通省住宅局の資料によると、新築住宅を対象とした1号保険では、雨水浸入関係の保険金の支払い件数は、瑕疵保険事故全体の93%に至っており、構造関係は全体の7%と少ない状況となっています。
なお、結露は住宅瑕疵担保履行法の対象でないため集計されていません。
瑕疵事故の事例は、(一財)住宅保証支援機構の「事例から学ぶ住宅トラブルとその実態」(令和元年12月)によると、保険事故全体(件数)に対して構造部分が6.7%、雨水の浸入を防止する部分が93.3%となっています。雨漏り関係としては、「外壁面」が最も多く29.3%、「外壁開口部」(窓まわり等)が25.7%、「屋根」が22.4%、「バルコニー」が15.9%となっています。
「外壁面」と「外壁開口部」を合わせると、計55.0%と半数以上になっています。

Q

設計時や施工中の検査は、どのように依頼すれば良いですか?

A

住宅の性能を表示するための共通ルールとして、「日本住宅性能表示基準」が定められており、方法として、「評価方法基準」が定められています。

その評価方法を活用して検査等をする場合は、「新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド」を参考にして下さい。国土交通大臣は、住宅の評価を客観的に実施する第三者機関を「登録住宅性能評価機関」として登録しており、これらの評価機関は、申請に基づき、評価方法基準に従って住宅の性能評価を行い、その結果を住宅性能評価書として交付しています。

住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめたもの(設計住宅性能評価書)と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめたもの(建設住宅性能評価書)との2種類があります。
申請は法律上、どなたがされても構いませんが、評価機関に住宅性能評価の申し込みを行う場合には、設計図面等の必要書類をそろえる必要があります。

なお、(一社)住宅性能評価・表示協会の「住宅性能表示制度Q&A(消費者向け)」が参考となります。

Q

各種の制度の易しい解説書はありますか?